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戦争と性−進駐軍慰安婦より
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以下の書籍を図書館で探してきたのですが、なかなか見つからないので、『教科書に書かれなかった戦争 part27 「日本軍慰安婦」をどう教えるか』(梨の木舎)に収録されている引用を孫引きします。
同書の補足に依りますと、「スマトラのパレンバンで、憲兵として慰安所に関わっていた元軍曹の回想記」です。
土金冨之助『シンガポールへの道』創芸社 一九七七年
彼女の部屋へ招かれて、お茶、お菓子の接待を受けながら、故郷のことや生い立ち、家族の話などを聞かせて貰った。私が一人で行ったある日、彼女は「私達は好き好んで、こんな商売に入ったのではないのです。」と、述懐するように溜息を吐きながら語った。
「私達は、朝鮮で従軍看護婦、女子挺身隊、女子勤労奉仕隊という名目で狩り出されたのです。だから、真逆(まさか)慰安婦になんかさせられるとは誰も思っていなかった。外地へ輸送されてから、初めて慰安婦であることを聞かされた」
彼女達が、初めてこういう商売をするのだと知った時、どんなに驚き、嘆いたことだろうと考えると気の毒でならない。 Y子は真剣な面持ちで、訴えるように話を続けた「今更、悔んだって
、嘆いたって仕方のないことだけど、当時は毎日泣きながら過ごしたの。日本の軍隊が憎らしかった」
彼女は涙ぐんで
「あんた方兵隊さんはいい。内地へ帰れば手柄話をし、戦場の勇士として歓迎されるんだから名誉なことだわ。だけど私達はどうなの。看護婦になれるんだ。軍需工場で働くのだといって出て来て、煙草を覚え、厚化粧して媚を売ることしか覚えないで、看護婦のカの字も知らない。汚れたこの体はどう見たって昔の私には戻らない。親や兄妹に合わせる顔もないでしょう。」
彼女の頬には、小さな雫が光っていた。私は唯、黙って彼女の話を、椅子にもたれて聞いていた。
http://appls.tosho.co.jp/awf/books/793.html
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