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戦争と性−進駐軍慰安婦より
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>>579 の続きです。
> 少佐は参謀肩章を揺すって笑った。
陸軍が慰安婦派遣の要請をした事を示すので充分だと思ったので、ここ
で転載を止めたのですが、この後、筆者の従軍体験談と慰安所に関する
少しばかりの意見が記述されています。「話が横道へそれた」とこの話
題を打ち切って、元に戻っています。そこから再転載します。
玉の井の国井組合長は陸軍省の要請を承諾して帰ると、早速酌婦の中
から慰安婦志願者を募る作業にかかった。
ところがいざとなると、事はそう簡単にはいかなかった。
この年、永井荷風の「墨東綺譚」(転載者注:墨にさんずい)が発表
されたことに依って、玉の井は日本国じゅう隈なく知れわたり、戦時中
ながら最盛期を迎えていた。何よりもまず業者が、玉の井で立派に商売
が成り立っているのに、何を好んで戦地へなんぞ、とそっぽを向いた。
銘酒屋の主人はみんな血も涙もなく、哀れな女の生き血を吸ってボロ
儲けしているように、世間ではいわれている。それはたしかにそうなの
だが、反面ほとんどがたいした蓄えもない零細企業者で、女に逃げられ
て貸金を踏み倒されれば、そのまま潰れてしまうのがいくらでもいる。
戦地で慰安所を開設するとなれば、二人や三人の女を連れて行ったの
ではどうにもならない。そうかといって何十人も集めるには、それ相応
の資金が必要である。
「軍じゃ命令とはいわないが、まあ半分命令のようなもんだ。まさか誰
も行き手がありませんて訳にはいかないじゃないか」
国井がいくらそう説いても、無駄だった。
「組合長、あんた自分でやったらどうだね。あんたならやれる」
口説かれた業者はそういった。
業者の大半は一軒持ちだが、国井は十数軒持っているから、酌婦の数
も三十人はいる。その中から希望者を募れば、何とか格好はつこうとい
うものである。
結局は国井も、そうするより仕方がないかと観念した。
開設場所としては、十一月十一日に陥落したばかりの上海が指定され
ている。上海にはこれから揚子江を進撃し、南京を攻略しようとする部
隊が続々集結しているという。当たれば大きいかも知れない。
国井が陸軍省に協力を申し入れると、五十人の女をつれて行くように
と割り当てられた。これには国井も困ったが、こうなったら乗りかけた
船、乗るか反るかやるまでだった。
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