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教養(リベラルアーツ)と場創り(共創)に向けて

54尾崎清之輔:2007/12/18(火) 00:34:51
10日ほど前、漫才観劇と絵画鑑賞に出向いて、ライブが持つ即興劇の動的な楽しさと、絵画作品が持つ精密さと大胆さの調和や、描かれた時代背景を読み取る静的な楽しさを味わうという、大変充実した一日を過ごすことができたと申し上げましたが、このあたりについては、今夜から少しずつ感想を織り交ぜた形で投稿させて頂きたいと思います。

漫才観劇の方につきましては、普段テレビ番組を殆ど見ることの無い私ではございますが、過去の経験などからして、番組収録とは異なる一瞬の間合いの大事さや、漫才コンビ同士または観客とのやり取りの中に、『リアルタイムの創出知』とまで申し上げるには少々褒めすぎではあると思いつつも、観客との一体感を感じさせるだけの勢いを持つ芸人(それは必ずしも有名な方々とは限らない)が何人かいて、そこに素直に楽しめる「場」があったと思いました。
そういう出会いも偶には大切であり、腹の底から笑うことの重要さを楽しむためにも良い機会ではないでしょうか。

その後、訪れた絵画鑑賞の方につきましては、渋谷で開催されているアルベール・アンカー展という、19世紀のスイスの自然主義的な画家の作品群で、この方はスイスでは非常に有名な画家とのことですが、日本では余り知られること無く、私も偶然電車内に掲載された広告が記憶に良く残っていたため訪れた次第です。

アンカー自身は主にパリに在住されておりましたが、その作品の多くはアンカー自身が過去に育ったスイスの村(スイス中央部にあたるインス村)を夏ごとに訪れたことにより、その情景を通して、その村に生きる子供達や老人達の日常を多く描いており、観る者に対して一種の安らぎ感を覚えさせられるとともに、老人と子供達が家の中でのんびりと寛ぐその構図には、「異なる世界の安らかな共存」も見られました。
特に、未来の希望に満ち溢れる子供達の人生のはじまり感と、経験が刻んだ人生終盤の時期を迎えた老人達の表情ならびにその対比については、構図に描かれた、光と影の持つ意味も手伝って、何とも言えない感情が沸き起こってきたとも申し上げて起きましょう。

また、これらスイスの風景画には、フランスのバルビゾン地区に陣取った、田園地帯の風景や、そこに生きる方々の作品群を中心とした、所謂「バルビゾン派」にも通じるものがあったとも感じましたが、一通り観賞し終わった後に見たショッピングセンターの解説から、アンカー自身が、実は「もし生まれ変わったらバルビゾン派になりたい」とまで仰っていたことに、ある種の驚きを隠せませんでした。

更に、このアンカーの風景画の手法が持つ、草木や森などの緑を中心とした自然風景や、そこに調和している少女達を表している色彩感覚には、ジブリ作品(男鹿さんの絵作り)に相通ずるものも感じ取られた気がしましたが、何とパンフレットの解説において、宮崎駿さんの作品イメージとも重なっている旨が記載されておりましたので、先述と併せて二重の意味で驚愕を禁じえませんでした。

ちなみに、このアンカーは風景や人物画のみではなく、「教育」にも大変な力を注いでいたようで、そのあたりも多くの作品に垣間見ることができましたが、その中の印象的なひと言をもって、今夜は締めくくらせて頂きたいと思います。

◆教育は知識を身に付けるものではなく、子供の成長、周りを取り巻く人々や、育った自然環境に関わることで、個々の人格が成熟していく包括的な事業である。


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