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教養(リベラルアーツ)と場創り(共創)に向けて

41尾崎清之輔:2007/12/03(月) 23:50:09
キジアーナ音楽院の設立者であるグイド・キジ=サラチーノ(Chigi-Saracini)伯爵が、シエナの銀行家アゴスティーノ・キジ(Agostino Chigi)の末裔である可能性を示唆された田中さんには流石と申し上げるしかございません。

先に少し述べましたように、アゴスティーノ・キジは、十五世紀後半から十六世紀前半にかけて、アレクサンデル六世、ユリウス二世、レオ十世、といった歴代のローマ教皇へ莫大な額の献上や融資を行っていたことから、相当な特権を与えられていたことは想像に難くないし、ボルジア家出身のアレクサンデル六世、枢機卿時代にはボルジア家の仇敵であったにも関わらず政治力を駆使してチェーザレ・ボルジアの支持を取り付けたユリウス二世、メディチ家出身のレオ十世、と、おそらくそれぞれの出身や立場の違い見極めて巧みに利用した可能性も否めないでしょうから、それが後にどのような結び付きへと至ったのか大変興味深いところです。

キジ(またはキージ)家はシエナの名家でしたが、「Chigi」という名前は、イタリア首相官邸のキジ宮殿(Palazzo Chigi)をはじめとして、主にトスカーナ州の観光名所の建築物に多く使用されていること、十七世紀半ばのローマ教皇はキジ家出身のアレクサンデル七世こと「ファビオ・キジ(Fabio Chigi)」であり、その甥は「フラヴィオ・キジ(Flavio Chigi)」枢機卿であること、キジ家は代々芸術家のパトロンであった事実などから、私もその可能性は非常に高いと思っております。
更に、やや歴史を遡りますと、十三世紀後半にはサン・ジミニャーノにもキジ家の塔が建てられていることから、これらの点と点を繋ぎ合わせていくことで、中世における欧州の上つ方の歴史の一端を発見できるかもしれませんね。

そして、ルネサンスのパトロン精神とは、欧州における芸術の持つ普遍性というものを、後の世に伝えるという、フィラントロピィ精神の萌芽にも繋がるものと考えており、それが通俗的な概念としてのパトロン云々とは天と地ほどの(またはそれ以上の)違いではないかと思った次第です。

それにしても、偶然とはいえ、田中さんも『イタリア 美術・人・風土』を所有されていたということは、一種の共鳴現象が働いたのかもしれません。

余談ですが、私はこのようなインタンジブルな次元の持つ力というものにも着目しており、あの有名や複雑系における「全体性」「創発性」「共鳴場」「共鳴力」「共進化」「超進化」「一回性(ないしは非線形性)」といった、それぞれの「知」が多元的に連関・連携していく中で、どのような次元へと飛躍・発展していくのか、考えただけでもワクワクしますし、その根底には、大局観とか直観とか洞察力を身に付け、磨き続けていくことで、「暗黙知」の次元へ至ることの楽しみがあるとも考えますが、別のスレッドでも若干言及させて頂きましたように、「暗黙知」をタンジブル寄りに理解しようとする経営者(経営屋さん)たちが平気で誤解を与えかねない使い方をしているため、この辺りはポランニーの『暗黙知の次元』(ちくま学芸文庫)の一読をお勧めしますが、取り急ぎ骨子だけでも知っておきたい方々へは以下のサイトをご紹介させて頂きます。

◆松岡正剛の千夜千冊『暗黙知の次元』マイケル・ポランニー
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1042.html


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