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教養(リベラルアーツ)と場創り(共創)に向けて

35田中治:2007/12/01(土) 14:38:05
パウロ2世時代の東欧の民主化、それに続くベネディクト16世を先頭にバチカンの次の戦略はどのようなものであろうか?欧州はその長い歴史の中で常に拡散と収縮、つまり遠心性と求心性の動きを繰り返しているように見えるのだが、21世紀の幕開けと共に、ヨーロッパ連合として通貨も統合した欧州がどのような戦略をもっているかについては、問題山積ではあっても、過去を俯瞰して必要な価値を再び未来につまみ出すだけの教訓と人材を豊富に備えている点で目が離せない。前述のようにバイエルンやオーストリアが欧州の保守反動勢力の拠点であるとすれば、東からやってくる異教徒への砦としての位置は前述の通りだし、北にはルター以来プロテスタント勢力がいてキリスト教内での勢力均衡を図っているし、その西には、啓蒙主義が発達しフランス革命以降現在まで理性による人間の営みを貫いているフランスが存在していて、欧州の中でのパワーバランスになっているように思う。また啓蒙主義以前まで脈々と受け継がれている秘教の伝統についても、フランスには特に北フランスを中心にゴシック建築の傑作が現存し、建築そのものや彫刻などに寓意として見る人が見ればわかるように扉は開かれている。これら北フランスのゴシック建築の多くは聖人化された女性を祀っており、ノートルダムの名称からも判るとおり聖母マリア信仰の源流を探る必要を感じる。秘教の源流は中東やインドにあると言われているし、それが東に伝播したルートの行き止まりである日本には、空海以来の密教の伝統があるし、正倉院の宝物殿は見るものが見れば文字通り宝の山かもしれない。因みにわが国の宮様のおひとりは古代オリエント史を専門とする歴史学者として知られていることは示唆的だ。故白洲正子が「隠れ里」として愛した近江や奈良・京都に人知れずひっそりと存在し続けている寺院や仏像や伝承の中にも、日本古来としながらもユーラシア大陸との長い歴史を示す断片が刻まれているのかもしれない。
話が拡がりすぎ、かつ欧州の歴史に偏りすぎたかもしれないが、歴史に関して「筋」を見極めていくことの大切さを改めて実感すると共に、そのことが「審美眼」を養うのではないかと考え、その際建築や絵画や音楽といった芸術の多くが、顕密における密の部分として我々に多くを教えてくれる存在として、古から賢人の多くは文武両道・芸術奨励の姿勢であったことに深く納得する次第である。


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