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教養(リベラルアーツ)と場創り(共創)に向けて

182尾崎清之輔:2008/02/06(水) 00:23:08
先に挙げたサミュエル・ハヤカワ氏の『思考と行動における言語』は、日曜から読み始めて3割程度のため、内容のご紹介や読後感などについては、まだ先にさせて頂きますが、今夜は『間脳幻想』の世界へ入るキップを得る手掛りの一つと考えております、『生命を捉えなおす』(中公新書)に関して、私の古い記憶を頼りに若干お話させて頂こうと思います。

清水博士は、「生きている状態」の「共通分母」を探す過程において、まずは遺伝子レベルからゲノム、そして細胞から各器官、そこから生命ないしは生物に至り、更には生物社会から生態系、といった各々の段階における要素には全く依存しない「グローバルな性質」があると仮定して、部分(個々の要素)の総和が全体(生命)になるとは限らないという意味から、生命という存在、つまり『生きている』ということの重要な性質をズバリと言い表しており、この生命という系こそ、『非線形』であると看破していたと思います。

…とここまで書いて、よく考えてみましたところ、藤原さんが前に『生命を捉えなおす』に関する書評を掲示板のどこかでご紹介して頂いたことがあり、それが松岡正剛さんの書評であったことを思い出し、「非線形」の部分が非常に分かりやすく書かれていると仰っておられましたので、ここでは松岡さんの書評から「非線形」に関するポイントのみご紹介させて頂くに留めて、詳細は松岡さんのサイトのURLを再掲させて頂きます。

◆非線形というのは、原因と結果のあいだに足し算が成り立たないような性質をいう。たとえば、aとbという原因がそれぞれ単独にはたらいたときにあらわれる結果をそれぞれAとBしたとき、原因a+bがA+Bという結果になるのが線形性で、A+B+XやCというまったく変わった結果になるのが非線形である。(…中略…)生命現象はこういう非線形的な性質を本来的にもっているのではないかということになる。

◆グローバルな状態をつくっている系には、いくつかの共通の性質がある。そのひとつは非線形ということだが、もうひとつは「相転移」をおこしているということである。その系では「相」が劇的に変わっていく。
 たとえば氷と水と水蒸気は成分は同じでも、まったく異なる「相」をつくっている。層状に流れていた雲がいつのまにかウロコ雲になっているのも、水道の蛇口を少しずつあけていくと、水が糸状から急にねじり状になり、さらに棒状になって、そのうえで突然にバッと開いていくのも、「相」が変わったせいだった。逆に、コーヒーにミルクを垂らしたばかりのときはまだミルクをスプーンで引き上げることは不可能ではないかもしれないが、これがいったん交ざってしまったらミルクは二度と引き上げられない。こうした「相」の変化はあるところを境にして不連続におこる。劇的でもある。それが相転移である。
 おそらく生命現象もこういう相転移をおこしているのではないか。


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