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教養(リベラルアーツ)と場創り(共創)に向けて

155尾崎清之輔:2008/01/26(土) 01:45:25
(No.154の続きです)

また、藤井博士は『情報とは信頼の関数』という名言をはさみながら、続けて以下のように展開されております。

◆他人の信頼を得るためには、懐深く生きなければならない。きっぷの良さ、こだわりのなさ、骨太、腰がすわっている人、と言い替えてもいい。デジタルな人は二者択一の世界に生きているから、他人のことをすぐ判断し、批判する。利口か馬鹿か、能力があるかないか、仕事ができるかできないか、出世をするかしないか、という判断や批判は、仕事をするうえで、役に立たない。何故なら、すべてが相対的な問題だからである。
(中略)
 私たちは当然のことながら、起こり得ることのすべてに対処することはできない。だから、必ず失敗をする。その失敗は自分たちの何かが欠けているから、起こるのである。欠けている何かに気づけば、その失敗は成功のもとになる。気づかなければ失敗し続ける。名人の失敗というのもある。定跡にはまってしまった時だ。猿も木から落ちるのだから、「そんなこと、いいよ、君」と自分にも言い聞かせたい。

◆真実はいつも中庸にある。自分を知れば知るほど、極端な考え方や意見に偏らないで済む。自分の力や限界がわかっているから、悲観論や楽観論に捉われない。(※イチローが)打てなくても淡々としていたり、負けてもくさらないのは、その原因がつかめているからだ。敗因がわからなければ、悔しい思いをするし、次回も同じ負け方をする可能性がきわめて高い。

※引用者にて付加

◆戦争は勝つことも負けることもあるから、本当は負けにこだわる必要はない。しかし負けたことにこだわっているから、「普通の国」や「小さな国」という発想になるのだ。
 人生はゲームそのものである。負けないゲームなんてない。だから負けにこだわっていないで、先に進めばいい。ただし、誰が考えても負けることがわかっているゲームは初めから降りておいた方がいい。負け戦を知っていて、始める馬鹿はいない。ゲームは勝つと嬉しいから、勝つに越したことはない。「己を知れば、百戦危うからず」。百戦百勝の名人は負け戦をしないだけだったのかも知れない。


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