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教養(リベラルアーツ)と場創り(共創)に向けて

11尾崎清之輔:2007/11/17(土) 04:53:32
暫く連続で書き続けておりますと、たとえ1日でも合間を作ってしまうことは、何となく気持ち悪いと思いつつ、書き溜めた文章が幾つかあるものの、発表するには若干考察を行う必要性を感ずることから、本日も私事に近くなってしまうことをご了承願いたいと思います。
私が世事に疎かったことを思い知らされたこととしては、11月15日(木)0:00をもって、ボジョレー・ヌーボーの解禁日であることを、一昨日、行きつけのワイン主体のお店で知ったことでした。

ワインとクラシックに大変造詣の深い、私より一回り上の世代にあたるこの店のオーナーは、「シャトーマルゴー90年モノ」とのたまう初見の客に対して「お客様。残念ながら品切れで…」と即答する矜持をもった方でありますが、会話を通じて、ひとたび信頼関係、つまりお互いの「場」の繋がりを感じさせるだけの関係性が出来上がると、メニューに載っていない品はもちろんのこと、彼の趣味である、真空管のアンプと複数の高級スピーカーが奏でるクラシック群(少なくとも私の十倍とか二十倍以上の作品所有者)を一般客が引いた後、営業時間後でも暫く楽しませて頂ける器量の持ち主です。

当日がボジョレー・ヌーボーの解禁日の直前であることを知らなかった私は、全く違ったタイプのワインを嗜んでおりましたが、折角の機会なので、お願いしましたところ、勧められたのは、マルセル・ラビエールという生産者の手による品で、ボジョレー・ヌーボーのような、熟成ワインとは懸け離れた葡萄酒は数年ぶりに口にしてみましたが、この生産者は有機農法ワインの作り手としては相当古くから有名らしく、昨今の有機農法ブームの作り手たちとは全く違った歴史の重みを感じさせるだけの味覚を楽しませて頂きました。

その骨子がどのようなものか、後程調べさせて頂きましたところ、以下の通りであることを知った次第です。

1.補糖を一切行わない。
2.培養酵母ではなく、葡萄の実の皮に付く天然酵母のみで発酵させる。
3.除草剤や化学肥料を使わない。この際ボルドー液さえも使わない。
4.酸化防止剤を加えない。自然に発生するSO2(35mg/リットル程度)を含有するのみ。
5.濾過処理をせずに瓶詰めを行う。
6.蝋キャップを使用する。

これは、いわば、欧州版の身上不二といっても過言ではないと思い、わざわざ日本まで輸入することの「もったいなさ」という一種の矛盾さえ感じてしまいました。

そんなこと考えつつも、実はワインについて語るのは憚ること(=恥ずかしいこと)であると思ってきました。
それは、この種の語り手である多くの政財界人や文化人の殆どが、ある種のいかがわしさ、ワインで申し上げればブショネ率5%(このくらいだとワインの味と仰せのソムリエまで今やいらっしゃるそうですが)や10%どころか、30%(端的には腐ったワインと一緒)のような方々がしたり顔で薀蓄を申し上げることにどうしようもない胡散臭さを感じざるを得なかったためです。
(その一種には例の日本版クルティザンヌとそのパトロンの方々もいらっしゃいます)

それに比べますと『世界を変えた6つの飲み物』トム・スタンデージ(著)(インターシフト)は、飲み物を通じてメソポタミアから現代のグローバリゼーションの代名詞の一つであるコカコーラまでの長い世界史を語っているだけの素晴らしさを持っており、詳細についてはいずれご紹介したいと思いますが、この書籍に限らず重要なこととしては、我々人類はその長い歴史の中で、常に「水」の獲得に相当のエネルギーと闘いを繰り返してきており、今後は更に激化するであろうということです。

古来「水」に恵まれた風土を持っているにも関わらず、実は「水」の消費大国である日本に生きる我々にとって、世界を見渡したときに、何が起こっているか、考えてみる必要があるのではないでしょうか。


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