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とはずがたり数理解析研究所講究録

21とはずがたり:2018/05/30(水) 10:22:24
DSGE モデルとMATLAB
寺井 晃
https://ksu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2351&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

そこで本論文は、MATLAB を用いたDSGE モデルの解法を、最も単純な
Ramsey-Cass-Koopmans モデルを例として論じていく。紙と鉛筆で解くことができるモデ
ルを、MATLAB のコードと対応させることにより、PC ソフトを用いてDSGE モデルを解
く際の見通しを良くする。このことが、本論文の目的の一つである。


…以上が、Ramsey-Cass-Koopmans モデルの設定である。資本蓄積、技術、資源の各制約を前提に、消費者は効用が最大になる消費を選ぶのである。主体(消費者)が最適な値を選ぶという意味で、c_tはcontrol variable とも呼ばれる2。また、各期において、主体が所与とする変数をstate variable と呼ぶ。このモデルの場合は、k_t、A_tがstate variable である。
State variable は、主体が環境を変えられる変数と変えられない変数に分けられる。前者をendogenous state variable という場合もあり、このモデルでは資本蓄積を通して変更されるk_tである。後者はexogenous state variable という場合もあり、このモデルの場合はA_tである。

…解をclosed form で得ることは難しい。
従って、そのようなモデルを扱う場合、定常状態周りで解がどのような振る舞いなのか、対数線形近似して求めるという手法が用いられる。1 次の近似を行えば、変数同士の関係を線形で表すことができるので、行列による差分方程式の表現が可能となる。そして、この行列による表現を操作すれば、policy function を求めることができるのである。

一般に、k_tは過去からの蓄積があるため、backward に解かれる。λ_tは横断面条件を満たすために、forward に解かれる。これらを上手く識別し、それぞれの変数についての比較的簡単な解法を与えたのがBlanchard and Kahn (1980)である。

この式のW(ヤコビアンに相当?)を固有値分解し、固有値の絶対値が1 より大きいか小さいかにより、(k_t,λ_t)に含まれる変数をforward に解くかbackward に解くか区別する。一般に、絶対値が1 より小さい固有値の数と、過去からの蓄積によって求まる変数(predetermined variable という)の数が等しくないと、解の経路が発散したり複数均衡となる。通常のモデルを想定している場合、predetermined variable の数と絶対値が1 より小さい固有値の数は一致することが要請される。


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