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とはずがたり数理解析研究所講究録

11とはずがたり:2017/07/29(土) 07:06:06
女性でイラン出身のミルザハニ。若くして癌で亡くなったそうな。。ご冥福をお祈りする。

2014.08.24 SUN 19:50
とびきりの想像力が、女性初のフィールズ賞数学者を生んだ:マリアム・ミルザハニ【前編】
https://wired.jp/2014/08/24/maryam-mirzakhani-2/
https://wired.jp/2014/08/25/imagination-of-mirzakhani-2/

数学界最高の栄誉を得た、マリアム・ミルザハニ。2014年フィールズ賞受賞に輝いた37歳のイラン人女性数学者はこれまでどんな人に会い、どんな青春時代を送り、いまどんな理想を描いているのか。


1999年に、テヘランのシャリフ工科大学で数学の学士号を取得したあと、ミルザハニはハーバード大学の大学院に進み、マクマレンの講義を受講しはじめる。当初、彼女は彼の話す内容についてあまり理解できなかったと言うが、そのテーマ、双曲線幾何学の美しさに魅了される。彼女はマクマレンの研究室に通い始め、彼を質問攻めにし、夢中でペルシャ語でメモをとった。

「彼女はある意味、斬新な想像力をもっていた」。自身、1998年のフィールズ賞受賞者であるマクマレンは、こう振り返る。「頭のなかで、自分の予測に基づいた想像図を描いていた。そして、研究室にやってきて、その図について説明するんだ。説明が終わると、彼女はわたしに向かって『これで合っていますよね?』と聞く。わたしはいつも、彼女がわたしのことを理解者だと感じてくれていることを誇らしく思ったよ」。

ミルザハニは、双曲面に取り憑かれるようになる。

ドーナツ型のある表面上に開いた、ざっくり言えば鞍のようなかたちをつくっている穴。この双曲線ドーナツは、通常の空間ではつくることはできない。それらはあくまで、抽象的な概念上のもので、ある方程式にもとづいて距離と角度が計算されている場合においてのみ観察できる。その方程式のもとでは、面上に存在する想像上の生き物が「鞍」を形成する。

多数の穴の空いたドーナツには、無限に多くのパータンで双曲線構造が存在しうることがわかっている。大きな穴のあるドーナツから、狭い穴のもの、また両者を組み合わせたものまで。こうした双曲面が1世紀半前に発見されて以来、このテーマは幾何学における中心の研究対象のひとつとなり、数学やさらには物理の分野においても多くの関連分野をもつ。

だが、ミルザハニが大学院に入った時点では、そうした面に関する基本的な問題のいくつかに対して、解がまだ見出されていなかった。そのひとつが、ある双曲面における直線もしくは「測地線」に関するものだった。曲がった空間においても「直線」という概念は存在し、それは単に2つの点を結ぶ最短な線である。双曲面においては、平面上の直線のように無限に長く伸びる測地線もあれば、球面上の大円のように閉じて円になる線もある。

ある双曲面において、閉じた測地線の数はその長さが大きくなるにつれて指数関数的に増えていく。こうした測地線の多くは、始点と終点が結ばれる前に何度も交差する場合が多いが、わずかな割合が“シンプルな”測地線と呼ばれ、線上で交わることがない。そうしたシンプルな測地線は、「その構造と全体の面の幾何学を紐解く上で重要なもの」である。

ひとつの問いを解決するだけでも偉大だ

しかしながら、数学者はある特定の大きさの双曲面において、こうしたシンプルな閉じた測地線がいくつ存在するのかを特定することができなかった。閉じた測地線の円の中でも、シンプルなものは「ほぼ0パーセントの確率でしか起こらない奇跡」であるとファーブは言う。そのため、その数を正確に理解するのはとてつもなく難しかった。「ちょっとでも間違いをすれば、その存在を見逃してしまう」と彼は言う。

2004年に完成した博士論文において、ミルザハニはこの問いに対する解を示した。Lの長さのシンプルな測地線の数が、Lの長さと比例してどれだけ増えるかを導く方程式を考案したのだ。

その過程で、彼女はその他の2つの重要な研究課題の関連性を確立し、両方の問いに対する解を出した。ひとつは、いわゆる「モジュライ」空間と呼ばれる、ある面において存在可能な全ての双曲線構造の体積に関する問いだった。もうひとつは、プリンストン高等研究所の物理学者エドワード・ウィッテンが過去に提示した、弦理論に関連するモジュライ空間を位相幾何学を用いて測定する方法に関する予想を驚くべき方法で証明するものだ。

ウィッテンの予想を証明するのは非常に難しかったため、それを最初に証明した数学者であるパリ近郊のフランス高等科学研究所のマキシム・コンツェビッチは、その業績が理由のひとつとなり、1998年にフィールズ賞を受賞した。

両方の問題を解決することは「ひとつの問いを解決するだけでも大きな出来事であり、両者を結びつけたことはまた重大な出来事だ」とファーブは言う。ミルザハニはなんと、どちらもやってのけたのだ。


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