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第48回衆議院議員総選挙(任期満了2018年)スレ

5480チバQ:2017/11/08(水) 20:31:09
一方、人口規模の小さな北欧諸国で社会保障が比較的円滑に機能していることから、社会保障改革の王道は、有権者の目に見える政治活動と国民との信頼回復によって、政治家と有権者が痛みを分かち合える状況を作り出すことが前提となるという考え方がある。

 国民は、社会保障の受益に応じた負担をむやみに嫌がっているわけではない。負担した税・保険料がどう使われるかについて不信を感じているから、受益の合理化や負担増に対して何でも反対せざるを得ないのであり、もし、中央ではなく地方に権限が移り、政治家と有権者の関係が密接になれば、そういう不幸もなくなるという考え方である。

 当人たちは意識していないかもしれないが、地方分権を旗印にした大阪、名古屋、東京におけるローカルパーティーの動きは、究極的にはそうした目標を実現しようとしているものだと考えられる。この点については、連載第20回の「日本国民の政治家への信頼度はなぜ世界最低レベルなのか」でも触れたので参照されたい。

 さまざまに物議を醸す政治家のパフォーマンスからいったん離れて、大局的に政治情勢を観望すると、左派ノスタルジーの色彩の濃い何でも反対政党からの脱却志向と、地方分権改革を目指した地方発の政治勢力づくりという、この二つの流れが合流し、健全な中道政党を作ろういうのが、希望の党の結成なのだろう。政策の違いを無視した野党の大同団結という路線は、いくらなんでも乱暴だったのである。

 もし、今後も野党が余計なことはせず、何でも与党に反対の大同団結政党を形成すれば、高齢者票が集中して、政権移行が行われる可能性が高い。しかし、そうなれば、与党も人気取りのため社会保障改革の手を緩め、高齢者の既得権益不可侵にギアチェンジし、社会保障の“袋小路状態”はさらに強まるであろう。これは超高齢化社会に突入したわが国の根本的な政治的ジレンマだといえる。

 だとすると、正面からの問題解決には程遠いとはいえ、従来通りの社会保障を望む高齢者票が死票となる結果になった今回の野党分裂は、かえってよかったのかもしれない。

 社会保障政策を政治対立から切り離す仕組みが整わない限り、憲法改正、安保政策、原発・エネルギー政策、経済活性化策、地方分権政策など、その他の分野の政策選択を国民に用意するための与野党対立がほとんど無意味となってしまう。こうした状態が、わが国の進路にとって決して好ましいとは言えないことだけは確かである。

 (統計データ分析家 本川 裕)

本川 裕


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