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石炭・亜炭・炭砿スレ

141とはずがたり:2018/10/04(木) 12:54:59
>>140
 このガスから水素を取り出し、マイナス253度で液化して輸送することで、炭鉱から離れた国での大量利用を可能にする。また、低価格の褐炭を原料として製造費用を引き下げ、需要先は世界中に拡大できる。需給両面で水素の普及を後押しするシナリオだ。

 Jパワーの小俣浩次・技術開発部ガス化技術担当部長は「安価で、未利用のまま豊富に存在する褐炭をガス化することで、水素を最も安く製造する有望な方法の一つになる」と指摘する。

「EAGLEプロジェクト」の独自構造を採用

 Jパワーは1980年代から石炭ガス化技術の開発を開始した。元来は、化石資源を化学製品の原料として利用しやすい水素、一酸化炭素に転換する技術であったが、「石炭ガス化複合発電(IGCC)」とよばれる高効率発電技術の開発に取り組んできた。…
※IGCC:Integrated Coal Gasification Combined Cycle

 Jパワーは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で実施してきた「EAGLEプロジェクト」において独自技術を開発。酸素の供給量を適切に制御することで、石炭ガス化炉の高効率化と安定稼働の両立を実現する。結果、EAGLEは1日150トンを処理できるガス化炉の大型化を実現するとともに、石炭の発熱量をガスに移行する比率も世界最高水準の82%を達成した。

「当社は10年以上にわたり、この石炭ガス化炉の安定運転を続けた。蓄積した技術と経験、人財は今回の水素サプライチェーン構築に役立つものだ」と小俣氏は話す。

 ラトロブバレーに建設予定の小規模ガス化炉で試験を繰り返すほか、日本のJパワーのEAGLEガス化炉でも運用性やトータル性能を検証する予定だ。小俣氏は「褐炭は成分にばらつきがあるので、多くのデータが必要になる。ガス化炉が安定稼働する条件を見つけ、どれだけ効率を上げられるかが課題だ」と説明した。

目指すはCO2フリーの水素製造

 水素は発電時にはCO2を排出しないが、石炭をガス化して製造する際の排出は避けられない。そこで、実証に併せ、ラトロブバレーではオーストラリア連邦政府とビクトリア州政府の共同基金で、新たなプロジェクトにも着手している。

 発生するCO2を分離・回収し、長期間貯留する「CCS技術」だ。排ガスから化学反応を利用してCO2を分離し、高純度で回収。枯渇したガス田などに輸送し、圧縮機で深さ1000メートル以上の地層の砂粒の隙間に封じ込め、実質的な排出ゼロを目指す。

 ラトロブバレーから約80キロ先の沖合には枯渇しかけた海底油田が存在し、大規模な貯留容量が見込まれる。

 今後、褐炭からの水素製造には「CCSは不可欠」と小俣氏は話す。将来的にラトロブバレー沖でCCSが可能になれば、日豪の水素サプライチェーンはCO2フリーを実現できる。

脱炭素化の実現に向け取り組みつづける技術開発

 Jパワーは国内でも中国電力と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて実施している「大崎クールジェンプロジェクト」(広島県)において、クリーンコール技術の商用化に向けた実証事業を進めている。IGCCだけでなく、CO2分離・回収技術を組み合わせた技術でも、実証事業に向けた建設工事を開始しているほか、ガス化により発生した水素を燃料電池に活用して発電効率を高める「IGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)」の実現に向けた小型IGFCの技術実証も予定している。

※IGFC:Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle

 小俣氏は「IGCCやIGFC、CCSは技術レベルや商用化の見通しがそれぞれ異なる。それでも脱炭素化の実現のためには、複数の選択肢を持つことが重要だ。今回の褐炭による水素製造もその1つ。将来を見据えて、脱炭素化の選択肢を1つでも増やすために、これからも技術開発に取り組みたい」と前を向いた。

提供:J-POWER(電源開発株式会社)


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