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【捲土重来選挙】2009年次期衆院選スレ その2

557千葉9区:2009/06/12(金) 20:53:47
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/election/2008syuin/rensai/20081014/20081014_0003.shtml
(#2) 赤字バス  山村を守る道は険しく
2008年10月16日 10:16
宮崎県諸塚村の狭く険しい山道を行く地域バス。終点までの約20キロ、乗客は2人だけだった 佐賀県基山町と福岡県朝倉市を結ぶ甘木鉄道は、なだらかな平野部を走る。始発から終点までトンネルは一つもない。運転士の斉藤拓由(ひろよし)(34)は、変化に乏しい鉄路が少し寂しい。

 斉藤は宮崎県の第三セクター高千穂鉄道の運転士だった。転職して3カ月になる。2005年に台風で鉄橋などが流され、運休したままだ。沿線は過疎が進み、以前から廃止がささやかれていた。復旧には26億円かかる。再開は絶望的だ。

 山あり、渓谷あり。高千穂鉄道は美しい景観を縫うように走る。乗客も沿線の暮らしも、そんな風景に溶け込んでいた。

 運転中、バックミラーには、4人掛けの席に集まって談笑するお年寄りの姿が映った。持ち寄った煮しめのにおいも運転席に届いた。無人駅のホームに山菜が入ったかごが置いてあった。近所のおばあちゃんの、いつもの差し入れだった。

 鉄道はいわば、移動する「公民館」だった。

   ◇    ◇   

 宮崎県諸塚村は、村の95%を山林が占める。山道を行く地域バスは、カーブのたびに車体を左右に傾ける。役場がある中心部から終点の飯干集落まで約20キロ。平日午前の便の乗客は、病院帰りのお年寄り2人だけ。運転手の吉田格(いたる)(43)は「お大事に」と、その背中を見送った。

 地域バスは地元の諸塚交通が運行している。運転手は7人。以前は小さなタクシー会社だった。宮崎交通が赤字路線から撤退した5年前、村の4路線を引き継いだ。

 「改革なくして成長なし」。元首相の小泉純一郎が進めた構造改革。規制緩和により、バス路線の廃止は許可制から届け出制になった。国の補助制度も縮小。赤字路線の廃止に拍車が掛かった。

   ◇    ◇   

 飯干集落でただ1人の中学生、山本久留実(14)は、村唯一の諸塚中学に地域バスで通っている。

 諸塚交通は、部活動で帰りが遅くなる生徒たちのため、臨時便を走らせている。冬場を除き、通常より2時間遅い午後6時50分、中学前を出る。吹奏楽部に入っていた山本も、練習に打ち込むことができた。

 とはいえ、もともと赤字路線。村と県が年間1300万円を補助しても採算は取れない。臨時便を出せば赤字はさらにかさむ。社長の黒木重人(55)は、損得には目をつぶった。村の子どもたちのためにと、生徒や保護者の願いに応えた。

 宮崎市で7月に開かれた宮崎県吹奏楽コンクール。中学校の部で、諸塚中は最優秀賞の快挙を成し遂げた。バレー部員2人に助っ人を頼んでの出場だった。生徒も教師も保護者も泣いた。貸し切りバスで送迎した黒木も胸を熱くした。

 その吹奏楽部は8月末に廃部になった。3年生11人が引退。2年生1人だけとなり、34年の歴史に幕を下ろした。

 諸塚村の人口は2000人を切った。バスの乗客増も望めない。燃料の高騰も経営を圧迫している。「山の暮らしを守るために」と、社長の黒木もハンドルを握る。霧雨に煙る山肌の険しい坂道を、バスは進む。 (敬称略)

<わたしたちの九州 第11部>

=2008/09/30付 西日本新聞朝刊=


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