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非自民非民主系保守

6712名無しさん:2015/04/11(土) 20:47:57
>>6711

「『八重山日報』は当初、手登根氏のコメントは使わず、事実だけで記事を構成しようとしていた。しかし、取材をするなかで、立件までにはいたらないことがわかった。そこで『反基地運動に対する懸念』という切り口に替え、手登根氏のコメントを追加することになったというのが真相のようです。まさか、『八重山日報』もことがここまで大きくなるとは思っていなかったでしょう」(同前)

 ここには、明らかに悪質まとめサイトが煽る「基地反対派による女児暴行」とは懸け離れた実態がある。繰り返しになるが、「八重山日報」の記事は、取材および伝聞とコメントで構成されたものであり、ミスリードを誘いそうな点はあるにしても、よく読めば、手登根氏のコメントはまったくの推測でしかなく、また、暴行を加えたとされる男性についても明らかではないことがわかる。むろん「基地反対派のヘイトクライム」は断定されていない。それがなぜ、ネットで“祭り”になったのか。

 この「八重山日報」の記事を、ツイッター上でいち早く拡散した人物がいる。前衆議院議員で次世代の党に所属する中丸啓氏だ。中丸氏はツイッターで以下のように記し、4月7日17時現在までに約7000リツイートされている。

〈沖縄の基地反対派による女児暴行事件。
大の大人が5人がかりで腹部を踏みつけるという鬼畜な犯行。
絶対に許せない。沖縄県警よ、徹底的に取り締まれ!
【拡散希望】〉

 ここに情報の飛躍がある。あくまで「反基地運動に対する懸念」を事実ベースで伝えようとした「八重山日報」に対し、中丸氏のツイートはあからさまな断定口調だ。さらに続けて、〈「フォントが違う」とか投稿をねつ造に見せかけたい輩がいるようだが、記事は本物です。残念でした。〉〈【陰謀説】等と妄想投稿する者に限って【証拠がない】という。得意の論点すり替え。ダブスタやな。余程、堪えているのか?〉などと、煽るツイートを連投する始末だった。

 まるで元議員とは思えない言い回しの数々だが、中丸氏が所属する次世代の党といえば、先の衆院選でも「外国人の生活保護は違憲」などとバリバリのデマを振りまいていた極右ヘイト政党である。今回の中丸氏のツイートもミスリードではなく、明らかに意図的なデマゴギーだろう。

 あとは簡単だ。このツイートを見た「左翼嫌い」のネトウヨたちがデマを一気に拡散。2ちゃんねるにスレッドが立つ。そして悪質まとめサイトがあたかも「基地反対派による女児暴行」が事実であるかのように記事をつくる。それがまたネットで拡散され、今の状況に至ったわけである。

 以上が、本サイトの取材でわかったすべてだ。このように経緯を追っていけば、右派のデマがどのように生じていくかが見て取れる。「八重山日報」、手登根安則氏、中丸啓・前衆議院議員、そして無数のネトウヨたち──編集方針や政治的動機、こうであってほしいという欲求が噛み合わさって、騒動にまで発展したのだ。

 もっとも、沖縄県読谷村で起きたとみられるハーフの女児への暴行、暴言の案件についての真相はわからない。だが、伝言リレーで成立したデマの過程をまざまざと見せつけられた筆者は、戦慄すら覚えた。

 デマは戦中や終戦直後などの、社会的不安と混乱のなかで発生しやすいとされている。今やこの国は、戦中なみのメンタリティに覆い尽くされているのかもしれない。
(梶田陽介)


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