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京都・京師・京洛
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荷主研究者
:2016/02/07(日) 10:50:06
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20160123/CK2016012302000010.html?ref=rank
2016年1月23日 中日新聞
幻の新駅?昔の名残? JRの券売機に「(東)瀬田」
://tohazugatali.web.fc2.com/tetsu/PK2016012202100165_size0.jpg
券売機に表示される「(東)瀬田」=大津市のJR大津駅で
県庁所在地のJR大津駅にある券売機に見慣れない表示があるのをご存じだろうか。「(東)瀬田」。はて、疑問に思って地図を確認したが、やはり瀬田駅は一つしかない。かつて「西瀬田駅」でも存在し、区別するための名残なのか。それともJR西日本が描く新駅構想の先取りか。気になって調べてみた。
表示は券売機で切符を買おうとすると表れる。同じ琵琶湖線の京都や南草津と同じ二百円区間として表示される。
瀬田駅に東西の区別が過去にあったのか。インターネットで検索してみたがヒットしない。調べるうちに、JR西が五年前の二〇一一年、大津市内の石山-瀬田駅間に新駅を検討していると報じた記事に当たった。
記事によると、新駅の候補地は瀬田川東岸。現在の瀬田駅から見て西側に位置する。やはり新駅を見据えた東西の区別か…。答えを急ぐ前に、もう少し新駅構想を調べてみた。
構想によると、石山-瀬田間は二・五キロ。新駅ができれば駅間が一キロ未満となる可能性もあるが、人口増加が続く県南部に対するJR西の集中投資戦略の表れだと報じていた。
県交通戦略課に尋ねると、五年前の同時期、瀬田-南草津間の草津市内にも新駅を設ける構想をJR西は草津市に持ち掛けた。こちらは新駅整備の財政負担や新駅周辺の混雑が増す等の懸念から、草津市がJRに新駅整備を望まないとの意向を一三年に伝えている。
翻って石山-瀬田間は新駅建設の打診を受けた大津市が一二年以降、いじめ事件など重大事案の対応が続き、明確な意思決定がないまま時間が過ぎ、特に進展はないという。
回答を保留する市に対し、JRがしびれを切らして現在の瀬田駅に「(東)」を付け、早期の決断を促した-。そんな想像が頭をめぐったが、問い合わせに応じたJR西の広報担当者の返答にガクッと崩れ落ちた。「あれは東海道線の瀬田という意味の略ですよ」
広報担当によると、同じ「瀬田」駅は熊本県内を走るJR豊肥線にもあるそうだ。それと区別するために頭文字を付けたそうだ。県内では東海道線を「琵琶湖線」と呼ぶこともあり気付かなかった。
駅名の頭にかっこ書きで路線の頭文字を入れて区別した駅は、ほかにもあるそうだ。たとえば「桂川」駅。京都府内の東海道線、北海道内の函館本線、福岡県内の筑豊本線で重複しているため区別している。「鉄道オタク」の後輩記者に聞けば、名古屋市内を走る東海道線「金山」駅も、同じ駅名が北海道内にあるため「(東)」が付いているそうだ。
まさか「(東)」の理由が単なる路線の頭文字だったとは…。肩すかしとなったが、単なる偶然とは思えない展開があった。熊本の「瀬田」を調べてみて見つけた不思議な縁。隣駅の名は「肥後大津」だった。
(井上靖史)
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