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京都・京師・京洛
431
:
荷主研究者
:2015/08/08(土) 22:33:12
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20150730000018
2015年07月30日 08時08分 京都新聞
100円バス、時計回り導入延期 京都市、四条通の渋滞懸念
京都市中心部を「反時計回り」に運行している100円循環バス。停車中のバスが連なり渋滞に拍車がかかっている(京都市下京区・四条通)
京都市交通局が、拡幅工事完成後の四条通を走る100円循環バスの「時計回り路線」について、当初予定していた10月末の運行開始を延期することが、29日までに分かった。渋滞緩和への対策が決まらない中、新たな路線導入は難しいと判断した。公共交通を優先する四条通のシンボルとなるバス路線計画は、頓挫することになった。
「100円循環バス」は現在、土日祝日の午前11時〜午後6時過ぎまで、四条、河原町、御池、烏丸の各通を順に巡る「反時計回り路線」を10分間隔で運行している。
交通局は四条通(烏丸-川端間)の歩道を拡幅し、車道を片側2車線から1車線に減らすのを機に、マイカーを抑制して公共交通の利便性を高めようと、時計回り路線の新設を計画。「『両回り』で買い物客らの回遊性を高める」とし、歩道拡幅後の市中心部活性化の核となる路線と位置づけていた。
しかし、車道を減らす工事の影響で、春の花見シーズンに大規模な渋滞が発生し、市民から苦情が殺到した。その後も続く渋滞を抑制するため、交通局は四条通を通る市バスの一部を9月19日から五条通などに迂回させることを決めている。100円循環バスについても「四条通を走るバスを増やすことはできない」として、時計回り路線の運行開始先送りを決めた。
同局は今後、秋の観光シーズンの交通状況を見ながら運行開始時期を探るが、「現在は全くめどがたたない」(同局自動車部)としており、白紙撤回される可能性も出ている。
■「歩くまち」理念後退
【解説】京都市交通局が、100円循環バスの「時計回り路線」の運行延期を決めたのは、四条通の渋滞解消へ有効な対策が見いだせていないためだ。歩道を広げて公共交通を優先させる市の「歩くまち京都」の理念は後退する形となった。
市は渋滞について「ピーク時でも市バスの遅延幅は所要時間の1割未満」と説明してきたが、花見シーズンには通過車両の流入などで、通常の3倍以上の時間がかかった。見通しが甘かったと言わざるをえない。
車道に張り出す形で新設された「テラス型バス停」が車の流れを阻害しているとの批判があり、交通局は混雑時に後部ドアから乗客を降ろす対策を始めたが、抜本的な解決には至っていない。
市は2006年1月の歩道拡幅構想の発表時から、公共交通の充実を併せて打ち出してきた。しかし、今年9月からは四条通で100本以上のバスを迂回させることも決まっている。流入車両を十分に抑制できないまま、公共交通の中核である市バス運行がしわ寄せを受けることに市民の理解は得られるのか。歩道拡幅の目的が揺らぎつつある。
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