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西洋史

47名無しさん:2015/05/31(日) 21:17:04
>>46

この時代に交易経済の基礎が発展した
 今となってはエクトヴィズ・ガールが旅をした理由を正確に知ることは不可能だが、青銅器時代には部族間で盛んに同盟が結ばれていた。フレイ氏は部族間の同盟を強固にし、交易を安定させるために、彼女が北方の首長のもとに嫁いだのではないかと考えている。(参考記事:「青銅器時代の沈没船:黄金の腕輪」)

 英国の歴史保存団体「Historic England」で青銅器時代を研究しているジョナサン・ラスト氏は、今回の研究は「青銅器時代の社会システムの規模や、遠く離れた部族との接触や移動のあり方について、新たな疑問を投げかけるものです」とコメントしている。(参考記事:「地中海東岸の文明は干ばつで崩壊?」)

 さらなる証拠がないかぎり、エクトヴィズ・ガールが政略結婚のためにデンマークに嫁いできたと断言することはできない、とラスト氏は言う。「例えば、2つの地域を頻繁に行き来していたという事実は、彼女が政治の道具というよりは、むしろ自主性の高い人物だったと示すことにならないでしょうか?」

 デンマーク国立博物館の青銅器時代の専門家フレミング・カウル氏によると、北欧青銅器時代の女性たちは、首長の跡継ぎとなる直系男子がいない場合などには、政治権力を握ることもあったという。「この時代の女性たちが、ほかの部族に嫁ぐという形をとらずに、みずから部族間の交渉を行い、友好関係を結ぶことができた可能性はあります」

 エクトヴィズ・ガールが生きた時代には、旅人や客人を手厚くもてなす風習が生まれた。この変化が長距離の移動を可能にし、交易にもとづいた経済の基礎を作った。彼女もまた、こうした変化の恩恵を受けていたのかもしれない。

 今後の研究で、エクトヴィズ・ガールが示唆する可能性はさらに広がりそうだ。「彼女はますますミステリアスな存在になりました」とフレイ氏は言う。「彼女は大昔に発見されましたが、これからさらに多くの事実を語ってくれることでしょう」

文=Brandon Keim/訳=三枝小夜子


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