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各種イノベーション・新発明・新技術など

90荷主研究者:2010/07/06(火) 22:50:40

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/06/20100621t15016.htm
2010年06月21日月曜日 河北新報
高導電のリチウム内包フラーレン 解析・大量合成に成功

解析されたリチウム内包フラーレンの構造。中心やや下よりの紫色の部分にリチウムがある

 炭素原子60個からなる「フラーレン」と呼ばれる分子中に、リチウム原子1個を入れた「リチウム内包フラーレン」の大量合成などに、研究開発ベンチャーのイデアルスター(仙台市)と東北大などの研究グループが成功した。併せて構造を解析し、電気特性を持つことを証明した。ともに世界初の成果で、有機エレクトロニクスなど産業分野での応用が期待される。研究成果は20日付英科学誌ネイチャーケミストリー(電子版)で発表した。

 研究グループは、原子がプラスイオンと電子に分かれるプラズマ空間を利用し、プラスイオン状態のリチウムをフラーレンに入れて合成した。リチウムイオンのエネルギーを制御し、大量合成を実現した。

 リチウム内包フラーレンを塩化物と結合させて結晶化した上で、高輝度のエックス線で構造を解析した。その結果、リチウムはフラーレン中心部からやや外側にあることが判明。さらに塩化物の作用で電子の移動が確認され、特徴的な電気特性を持つことも分かった。

 開発した手法で合成可能な量は1時間当たり数十ミリグラムと、従来の100万倍に上り、実際に工業用素材として利用できるレベルに達した。

 大量合成までの技術は、イデアルスターが東北大の研究成果を基に確立した。構造の解明は、東北大大学院理学研究科の飛田博実教授(無機化学)らが分離精製と結晶化を担当し、名古屋大大学院工学研究科の沢博教授(構造物性)らが放射光施設で解析した。

 リチウム内包フラーレンは高い導電性や、光に対する反応速度の速さなどの特性があるとみられ、有機太陽電池の素材となるn型半導体や超高密度メモリー、有機トランジスタ、ナノサイズのスイッチなどへの応用が見込めるという。

 イデアルスターは今後、リチウム内包フラーレンを国内外の研究機関に提供するほか、繊維状の太陽電池、センサーなどの開発を本格化させる。笠間泰彦社長は「既に海外から協業の打診があり、事業化を加速させる」と話す。

 フラーレンの産業化を進める三菱商事地球環境事業開発部門ナノテクチームリーダーの高島重和氏は「大企業でも開発が難しかった超最先端の材料をベンチャー企業が産学官連携で完成させたことは画期的だ。研究が世界に広がり、材料革命に発展することが期待される」と指摘する。

<新たな製法に意義/大沢映二豊橋技術科学大名誉教授の話>
 リチウムなどの金属をフラーレンに内包させる方法は、フラーレンの生成過程で金属を紛れ込ませるアーク放電法が主流だったが、合成率が低かった。今回の成功は、新たな製法で大量合成を可能にした点に大きな意義があり、内包フラーレンの研究や産業応用の本格化に扉を開くものだ。有機太陽電池の材料とすればエネルギー変換効率の上昇が見込まれ、一気に実用化に向かうだろう。

[フラーレン]炭素原子が電子を共有し合い、かご状に結合した分子。原子60個がサッカーボール状になったC60フラーレンが代表的で、大きさは直径1ナノメートル(10億分の1メートル)。内部の真空部分に金属原子を入れたのが金属内包フラーレン。リチウム内包フラーレンは、中心部から0.13ナノメートル離れた位置にリチウムが確認された。


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