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千葉9区
:2009/04/03(金) 23:21:39
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/87264
水没携帯救え マル秘 ローテク 思い出、記録…あきらめるのは早い 福岡市の復旧現場に潜入 手作業成功率70%
2009年4月3日 17:07 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡
用を足そうとしゃがんだら、ポケットの携帯電話がトイレにポチャリ。そんな経験ありません? 水に濡(ぬ)れて使用不能になった携帯に記録された電話帳や写真、メールなどの大切なデータを「復旧してほしい」と販売店に駆け込む利用者が増えているという。西日本各地から集まる水濡れ携帯のデータ復旧サービスを請け負っている福岡市博多区のドコモエンジニアリング九州。その作業現場に“潜入”した。
博多湾に面したビルの6階。ガラス張りの作業室内で、女性たちが黙々と作業をしている。端末サービス部の中川良一部長によると、同社は西日本エリアのサービスを担当。各地の販売店から2月は約700台、3月は約1000台の水濡れ携帯が持ち込まれた。
その1台1台に、利用者の思い出や公私に欠かせないデータが蓄積されている。あるお年寄りは「遠方に住む子や孫の写真をどうにか復元してほしい」と依頼した。老若男女にすっかり普及した携帯電話。亡くなった家族の最後の写真が、何げなく携帯で撮った1枚だったりすることもある。
入り口に鍵が掛けられた作業室内へ案内された。女性たちが顕微鏡のようなものをのぞき込み、手を動かしている。手元を撮影しようとカメラを構えた。すると、記者の背後に張り付いていた広報担当者が「アップ写真は勘弁してほしい。企業秘密が漏れるので」。
携帯本体を分解後の作業内容も企業秘密だ。別のデータ復元サービス業者によると、電源が入った状態のまま水に濡れると、本体内の回線が断線したり、集積回路(IC)がさび付いたりするため作動しなくなる。データの復旧には、断線部分をつなぎ直す処置や、さびを洗浄して取り除く作業などが一般的だという。
最新技術を駆使するものと想像していたが、実際の作業は科学に弱い文系の記者にも意外なほどローテク。というか、かなり原始的だった。
作業に使うのも特殊な工具ではなく、実にありふれた道具。詳しく書けないのでもどかしいが、それらは誰もが洗面所で毎日使うアレだったり、遺跡の発掘や美術なんかで使うアレだったり、はたまた山林から切り出される材料を加工した手作りだったり…。
現場の創意工夫により、データ復旧率は70%を超えるという。料金は5250円。データ復旧に成功した場合のみ受け取るシステムだ。
携帯を上着のポケットに入れたまま洗濯してしまった。ラーメンの丼に落とした。水濡れの原因もさまざま。夏場は海やプールに落としたなどの事例が増える。もしも携帯を濡らしてしまったら「すぐに電池(バッテリー)を外すこと」と中川部長。データ復旧がしやすくなるという。 (地域報道センター・池田郷)
=2009/04/03付 西日本新聞夕刊=
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