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各種イノベーション・新発明・新技術など
300
:
とはずがたり
:2016/02/15(月) 12:45:46
>>297-300
しかも、中国は3年間30億円という巨費を投じて研究をするという。対するこちらは、大学の運営費交付金が年々減少する中では手厚く支援していただいているとはいえ、ケタがいくつか違う規模という身の上である。日本が先にアイデアを出したのに、と思うと、もちろん悔しい。だが、研究上の競争はオープンでなければならない。私は観念して合肥に向かった。
合肥では想像以上に温かく、尊敬をもって私を迎え入れてくれた。キックオフのミーティングも形式的なものではなく、質疑が飛び交う建設的なものであった。驚いたことに、プロジェクト開始間もないのに、彼らは既にこの題材で一級の国際会議に論文を通し始めていた。「東ロボ」もうかうかしてはいられない。競うべきところでは競っていくのは当然だが、一方で、たとえば、ともに大学入試をターゲットとした人工知能に関する国際ワークショップを開催する、といった連携は、東ロボのプレゼンスを高める上でも意義があるに違いない。
日本の研究所で学んだ中国の研究者たち
最終日、私は中国科学技術大学の人工知能研究の中心である国家語音実験室を訪れた。iFLYTEKは中国科技大発のベンチャー企業で、両者は現在も極めて密接な協力関係にある。聞くと、科技大の音声認識の教授陣の多くがバブル時代に日本で博士号を取得したか、ポスドク時代を過ごしている。先生は誰かと尋ねると、国立情報学研究所にゆかりの深い研究者の名前がぞろぞろ出てくる。
彼らは、科学技術大国日本の技術を持ち帰り、中国のビッグデータで成功したのである。ただし、その日プレゼンしてくれた若手研究者2人のうち1人はイギリス、もう1人はアメリカで学んできたという。
深層学習で雑音処理の精度を飛躍的に向上させたという彼らにこんなことを尋ねてみた。「日本では今、多くの人工知能研究者が深層学習に関心を寄せている。深層学習によってシンギュラリティ(技術的特異点=人工知能が自らより高性能な人工知能を作り出せるようになる段階)がもたらされると考える研究者も少なくない。 深層学習は、機械に本質的な知能を持たせる上でどれくらい役に立つと思うか?」
すると、彼らは顔を見合わせてからこう言った。
「深層学習は、音声や画像などに関する分類問題には一定程度役に立つがそれ以上ではない。深層学習で解決できるような問題は、もうだいたいわかったので、私たちは新しい問題を求めている」
私が日頃から考えていたのと、同じ答えであった。
日本は一歩遅れではなく、周回遅れになってしまっているのではないか。そんな不安を抑え込むようにして、私は合肥を後にした。
■新井紀子プロフィル
東京生まれ。一橋大学法学部卒。イリノイ大学数学科博士課程修了。理学博士。2005年より学校向け情報共有基盤システムNetCommonsをオープンソースとして公開。全国の学校のホームページやグループウェアとして活用されている。11年から人工知能分野のグランドチャレンジ「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクトディレクターを務める。ナイスステップな研究者、科学技術分野の文部科学大臣表彰などを受賞。著書に「数学にときめく」(講談社ブルーバックス)、「コンピュータが仕事を奪う」(日本経済新聞出版社)、「ロボットは東大に入れるか」(イースト・プレス)など多数。
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