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各種イノベーション・新発明・新技術など

287とはずがたり:2015/10/27(火) 15:02:53
>>285-286
土肥: おお。

寺尾: 前回もお話ししましたが、いまの時代はモノを買うことではなく、“体験を買う”ことだと思っています。消費者はそこに興味があるので「ものすごいトースターを完成しました」では、なかなか通用しません。私たちは商品の開発にあたって「体験を提供する」ことに重きを置いてきましたが、大手メーカーさんは「商品」のことを考えてきたのではないでしょうか。

土肥: 商品開発をするのに、「商品」を考えるのは当たり前ですよね。どういう意味でしょうか。

寺尾: 毎朝おいしいトーストを食べることができれば、どういうことが起きるのか。大手メーカーさんは深く想像されていないのかもしれません。トースターでいえば安い商品が多いですが、消費者は本当にそうしたモノを望んでいるのでしょうか。店頭に安い商品ばかり並んでいるのは、ひょっとしたらマーケティング調査を重視しているからかもしれません。ちなみに、当社はマーケティング調査を行っていません。

土肥: 家電をつくっている会社がマーケティング調査をしないって……本当ですか?

寺尾: 絶対にしません。絶対に。

土肥: ……(疑っている)。

寺尾: 基本的なことは調べますよ。今回の場合で言えば、トースターの市場規模、動向などは。近くにいる人たちと「この商品、欲しいよね」「当たるんじゃないの?」「ダメなんじゃない?」といった会話をしますが、それだけ。自分たちが欲しいかどうかを重視していて、基本的にはマーケティング調査を行いませんし、コンサルティング会社の人たちに相談もしません。

土肥: なぜ第三者に話を聞かないのですか?

寺尾: 聞けば、聞くほど分からなくなるんですよ。

土肥: どういう意味でしょうか?

寺尾: マーケティング調査を行うと、商品の欠点ばかり指摘される。「こうしたらいいのに」「ここが不便」「こんなこともしてほしい」といった感じで。

土肥: そうした声が“ノイズ”に感じて、商品開発が進まなくなる?

寺尾: ノイズを聞いてしまうと、なかなか無視できません。「消費者ってこういうことを考えているのか……」となって、開発時に取り入れてしまうんですよね。その結果、どうなると思いますか?

土肥: うーん、何だろう?

寺尾: “普通のモノ”になってしまうんですよ。

土肥: ははは。「パンくず受けが進化しましたーーっ!」と堂々とアピールしてしまう。

寺尾: 「このボタンが小さかったから、大きくしました」「英語じゃ分かりにくいから、日本語にしました」――。こうした商品ってどうでしょう? 革新的ではないですよね。

土肥: テレビのリモコンのようですね。ユーザーの意見を重視するあまりにボタンだらけになってしまって、逆に使いにくくなりました。

寺尾: ですです。「何色がいいですか?」と聞いても、ほとんど同じ意見なんですよ。黒とか白とか。こうした話を受け入れることは、クリエイティブを殺す行為なので、絶対に話を聞いてはいけません。


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