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各種イノベーション・新発明・新技術など

196とはずがたり:2014/04/04(金) 21:06:33
>>195-196
■リキシャワラのファッション

リキシャワラの格好は、だいたいルンギとよばれる一枚布のスカートに何日も着替えをしていないよれよれの襟付きシャツ。ルンギの下はノーパン。リキシャにまたがって乗るときにルンギがめくれるのでポロッとみえはしないかとハラハラさせられるが、今のところみえたことはない。

貧乏なリキシャワラは着替えの服をもっていないので同じ服を着たきり。汗ジミに加えてマダラ模様のカビがはえている。しかも暑い中の肉体労働で汗だくなのでリキシャワラの背中からかなりキツイ体臭が漂ってくることもしばしば。彼らの背中から座席まで1メートル程度しかないので逃げ場なしの体臭が襲ってくる。

雨の日にはビニール袋をアタマにかぶって仕事する。全身びしょ濡れでもアタマさえ守っていれば平気らしい。

■リキシャワラに見るバングラデシュの変化

ところが、リキシャワラを取り巻く環境に最近変化が見える。

リキシャのなり手が減ってきていると最近のリキシャ・オーナーたちが言うのである。労働市場の多様化が進んでいて、より条件のいい仕事が選べるようになってきているらしい。

ルンギを着ていないリキシャワラが出現してきている。既製服産業が盛んなバングラデシュでは何らかの理由で出荷できなかった外国向け衣料のアウトレット市場があり、そこでかなり安く服が買える。一方、ルンギの価格は高騰し続けていてルンギよりも既製服のほうが安く手に入るようになってきている。

以前はサンダルを買う金もないハダシのリキシャワラがいたが、最近は見かけなくなった。農村では10歳に満たないような子どもが、足がペダルに届かないので三角こぎでリキシャをやっていたりするのを見かけたが、それも見かけなくなった。

清潔なシャツにジーンズ姿で仕事をするリキシャワラを見かけると、何だか違和感を覚えるのだが、その数は確実に増加してきている。

■イノベーション!電動リキシャの登場

さらに、電動リキシャの登場である。これまでのリキシャにモーター駆動システムをつけたものが2009年頃から出回りだしたのである。通常リキシャを新車で買うと2万5000円程度なのだが、電動リキシャは7万円程度で買える。

座席の下にバッテリーを搭載、一晩の充電でほぼ一日中走ることができるという。モーター駆動なので低速域でも高トルクを出すことができ、これまでのリキシャの初速の遅さをカバーしている。

最大時速40kmの高速移動が可能で、本来ならば自動車しか走らないはずの道路を高速移動中の電動リキシャを見かけたりもする。

しかし、リキシャの車体のまま最大時速が伸びているのでブレーキ能力などに問題がある。その他にも重心バランスの高さから来る転倒の可能性など安全性の問題は山盛りだが、これも新しいイノベーションの萌芽のサインと見ることもできる。

ノーベル平和賞を受賞したグラミンバンクのモハメド・ユヌスはこの国の貧困を博物館でしか見られないようにしたいと自伝で述べていたが、かつてのリキシャはこうだったというように博物館に飾られるようになる日が来るのも案外近いのかもしれない。

◆執筆者プロフィール:田中秀喜
1975年生まれ。メーカー勤務、青年海外協力隊、JICA専門家を経てバングラデシュでコンサル業を起業。チャイナプラスワンとして注目されながら情報の少なさから敬遠されがちなバングラデシュの情報源となるべく奮闘中。


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