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B級News Watch ためされる大地

369小説吉田学校読者:2007/06/01(金) 21:03:38
【ためされる大地 阪急古書のまち】
私、大阪に足を入れたら、必ずここによります。神田とはちょっと違う。神田は学生の町、梅田は阪急の町である。

雨の音 古書の匂いと 美味い酒(三等家)

勝手に関西世界遺産 登録番号119 阪急古書のまち
http://www.asahi.com/kansai/entertainment/kansaiisan/OSK200705310014.html

 どんな町へでかけても、できるだけ、地元の古本屋へいくよう、こころがけている。国の内と外とを問わない。店により、街により品ぞろえや値段のつけかたが、ちがっている。それをあじわうのが、私のちょっとした娯楽になっている。のみならず、仕事柄からいっても、古本屋のぞきの習慣は、やめられない。
 私は文化史の研究にたずさわっている。だから、本を、とりわけ古書をよく読む。古本、古雑誌からしいれたうんちくが、わたしの仕事をささえている。ありていに言えば、古本屋に依存した生活をいとなんでいるのである。
 しかし、古本業界に、そう明るい将来性があるとは思えない。斜陽産業とは言いたくないが、それほど発展していくことはないだろう。じっさい、今の若い人は、だんだん本を読まなくなっている。知識もインターネットあたりでしいれることが、あたりまえになってきた。私が業界の将来を、ややあやぶんでいるのも、そのためである。
 さて、東京の神田には一大古書店街がある。おそらく、こういう古書街は、世界に類例があるまい。国際的に見ても、ちょっとぬきんでていると思う。そして、私はこういう光景から、現代日本は高い文化水準をたもっているなと、実感する。まあ、最近はこの街でも、若むきの楽器屋やスポーツ用品店が、ふえだしているのだけど。
 関西に、神田とはりあえるような古書街はない。それでも、大阪の梅田、なんば、京都の寺町、河原町あたりは、けっこう古本屋があつまっている。なかでも、阪急梅田駅の北側にひろがる阪急古書のまちは、あなどれない。私が、関西の文化力もまだまだ安泰だと感じるのは、こういうところをおとずれた時である。
 たとえば、一見片々たる文庫本にも、法外と思える値段がついていたりする。田舎の古書店や新古書店だと100円ぐらいで買えそうなものが、2、3千円になっていることもある。書店の経営者が、本の値うちを見ぬき、高く評価しているからにほかならない。そして、そういう眼力が、ちっぽけな文庫本へおよぶところに、文化水準の高さを、私は見る。あるいは、出版文化への愛を感じてしまう。
 みなさん、これからもがんばって下さいね。まあ、私は眼力のない別の店をさがして、同じ本を100円で買うかもしれませんが。
(文・井上章一<国際日本文化研究センター勤務> 写真・立花常雄)
○いらっしゃい 知的好奇心
 梅田駅の北側、高架下をしばらく歩くと、めくるめく古本の世界が広がる。浮世絵の図鑑、古文書、フランス文学全集、百人一首やカルタ……。通路両側の店はガラス張り。古書に縁がない人でも、ウインドーショッピングが楽しめるつくりになっている。
 「古本屋の暗いイメージを変えて、誰でも入りやすいようにしたんです」。創設にかかわった、阪急古書のまち協会長の中尾堅一郎さん(82)は振り返る。
 古書のまちは、阪急電鉄創業者、小林一三氏の構想がきっかけで75年12月1日、8店で誕生した。故司馬遼太郎さんや桂米朝さんら著名人も多く訪れたという。
 いま14店。往時のにぎわいはないが、古美術、文学、演芸、理工系、初版本など、各店がそれぞれの得意分野を持つのが強みになっている。
 「商売だけやったら、コミックを売ったら早い。でも、先人が遺(のこ)してくれた古書は、まさに世界の遺産。後継者を育てて、守っていきたい」と中尾さん。きらりと光る古書への自負と愛情。これが文化のまちを支えている、と実感した。


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