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Tohazugatali Book Review
168
:
とはずがたり
:2009/12/23(水) 14:01:37
移民環流―南米から帰ってくる日系人たち [著]杉山春
http://book.asahi.com/review/TKY200901060123.html
[掲載]2009年1月4日
[評者]松本仁一(ジャーナリスト)
■2つの国で居場所失うデカセギの現実
本書によると、日本で働く日系ブラジル人にはドリフト愛好者が多いらしい。山道のカーブを、タイヤをきしませて車を走らせるレース、あれである。
彼らの多くは、母国では月収300ドル程度だ。ところが日本に来ると、がんばれば月に30万円はかせげる。本国の10倍。そして周囲は消費財の洪水だ。中古車なら10万円で買える。不安定な身分を忘れ、車、テレビ、ビデオと、次々に購入する。
ローンの返済のため、朝早くから夜遅くまで働かねばならない。子どもは学校に預けっぱなしで、教育やしつけの時間はない。子どもたちは日本語もろくにできず、いじめにあい、不登校になる。暴走族に加わり、犯罪に手を染めるものも出てくる。
日本の外国人登録で、ブラジル人は中国人、韓国・朝鮮人に次いで3位、約30万人に達した。10年前の3割増だ。戦後の貧困に押し出されてブラジルに渡った移民の子どもたちが、還流した日本でふたたび鬼っ子のあつかいを受けている。
著者はブラジルの彼らの出身の町や村を訪れる。長い出稼ぎから帰った人々は故郷で足場を失っており、働こうにも職がない。持ち帰った金が底をつくと、また日本に戻るしかないのである。
ゆたかな日本で働いて金を貯(た)め、母国に家を建ててしあわせに暮らそう……。最初の夢はそうだった。しかし現実には、日本と母国の双方で居場所を失い、生活を崩壊させていく。この本は、そんな現実をきめ細かい取材でたどっていく。
日本の経済は、外国人労働に頼らなければ立ちゆかなくなっている。経済の土台を支える彼らの生活が崩壊しかけているというのに、政府や企業はわれ関せずだ。地域社会の人々がボランティアで支えようとしているが、その力はあまりに小さい。
不況のなか、単純労働者の切り捨てが始まった。最初に切られるのはこうした日系ブラジル人たちである。そんな状況で、彼らはどうなっていくのか。この本の続編が読みたくなる。
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