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人口問題・少子化・家族の経済学

965とはずがたり:2015/01/26(月) 17:33:47

 定行氏らの研究について、鈴木氏にも見解を聞いたが、「もっと狭い面積でも足りるという研究もある」とのこと。

 しかし、数多くの保育現場を取材してきた筆者からすれば、保育を“商品”として考えるのは、あまりに危険だと言わざるを得ない。本連載第1回で述べたとおり、現在も劣悪な保育環境におかれた児童が、痛ましい事故により命を落としている現実がある。保育の「質」の差は、子どもの「命」の問題に直結するということを忘れてはならない。

 待機児童問題を解決するためには、認可保育所の増設こそが王道である、というのが筆者の意見である。

 だが、鈴木氏が指摘するように、コストの問題は大きく横たわる。120人定員規模の認可保育園を1園増設するには約1億5000万円がかかり、ランニングコストは年間1億円と言われている。少子化時代のいま、そこまでの予算を手当てするのは困難だ。

 そんな中、低予算にもかかわらず、保育難民を解消している全国でもユニークな施設が静岡市にあった。

 2010年に開設された、その名も「待機児童園おひさま」(静岡市駿河区登呂)。待機児童の8割以上を占める0〜2歳の児童だけを預かる認可外の施設。だが、静岡市が運営する公立の保育施設でもある。面積基準や職員配置、保育料は認可保育所と同じ。保育士もすべて静岡市の公立保育園の保育士だ。

 静岡駅の南口から車で約10分ほど。まっすぐ進めば登呂遺跡に通じるという海まで平坦に続く道をひたすら進む。駿河区役所のすぐ南側、子育て支援センターや市立保育所、老人施設や市営住宅などが連なる、市有地の一角に「おひさま」はあった。

 建物は軽量鉄骨の平屋建てで南向き。床面積は550平方メートル。入口の引き戸をあけて中に入ると、建物の奥まで廊下が続いている。廊下の左側には給食室があり、その奥に2歳児の部屋が2部屋。廊下の右側には手前から0歳児の部屋、1歳児の部屋がそれぞれ2つずつ配置されている。建築にかかった費用は備品を含めて9000万円弱と、普通の認可保育所よりはかなり安い。

 保育室は全部で6つあるが、このとき使われていたのは、0歳児用の2部屋だけだった。

都心部では夢のような“保育密度”

 お昼寝の後、保育士が声をかけながら、丁寧に子ども達を着替えさせ、全員の熱をはかっている。

 保育室の広さは約20畳。部屋の床は転んでもケガの少ないコルク材を使用しているという。

夢のような「待機児童園」

 一般的に4月には子どもたちが慣れないため、保育園は泣き声に包まれている事が多い。ところが、園児と同じくらいの人数の保育士がいるせいか、園児はとても落ち着いていて、園の中もとても静かだ。

 このゆったりとした保育環境は、都市部の認可外保育所と比較すると“夢のようだ”といえる。待機児童という言葉から受ける悲惨なイメージは、ここには全くない。

「当初の計画では、0〜2歳をあわせて72人が定員でした。しかし、蓋を開けてみたら、0〜1歳児が多いことがわかった。そこで、年齢ごとに線引きするのではなく、人数の多い0〜1歳児のために6部屋のうち、4部屋を使って見るようにしたのです。

 多い時には、0〜2歳のお子さんを60人以上お預かりしたこともありましたが…これだけ専門的に乳児と接することができるのは、保育士として重要な経験。とても勉強になります」(前出・副園長)


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