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人口問題・少子化・家族の経済学

893とはずがたり:2014/07/11(金) 10:48:03
>>892-893
日本人のバストへの関心は古代から一貫して、低めでした。欧米では理想のバストのカタチ、みたいなものがあったりしたのですが、日本では特にそういうことはナシ。女性をかたどった土偶や埴輪の類も肩幅は広いわりに、バストは小さなお碗のようなものがちんまり付いているだけ。授乳している埴輪などですら、ビックリする位バストが小さいのです。また、7世紀に編纂された『古事記』の中でも、アマノウズメという芸能の女神が踊り狂ったので衣裳がはだけ、バストなどが丸見えになってしまうシーンがあります。すると、お客たちはアマノウズメのバストに、ツバをゴクリと呑み込む……どころか、ゲラゲラと笑い出したのです。ウズメは「おブスキャラ」だったということもありますが、いくらなんでも酷い気がします(笑)。また、アマノウズメのバストを指して、『古事記』では「胸乳」と表現しています。ここでもまだバストは胸に含まれる要素にすぎないんですね。現代のように「バスト」と特別視されていないのです。

平安時代の高貴な女性は、真夏には汗衫(かざみ)という薄すぎるシースルー生地で、バスト丸えの部屋着で生活していましたし、江戸時代の春画も克明に描かれるのは男女の性器で、バストはおざなりに描かれているほうが多いです。ちなみにシルエット自体は細くても、下半身はむっちりした女性が理想として描かれることが多く、(胸のわりに)下半身がグラマラスすぎるという、現代女子にありがちな「下半身デブ」の悩みなんてありませんでした。昔じゃ、逆にモテモテで暮らせたわけなんですねぇ。

一説に、数いる動物の中でも、人間だけが乳房に強いコダわりを見せるといわれます。が、その理由はいまだ科学的には解明されきってはいません。また、日本人男性のバストへのこだわりは、日本人男性とベッドをともにした外国人の女性を驚かせるほど激しいことも多いそうです。

日本では、授乳の必要がなくなってからさえも、乳房を子どもに触れさせてあやす女性の姿が、戦国時代から明治時代初期に来日した外国人たちの目を驚かせつづけたという記録が残されています。つまり、日本では母子の密着の度合いが、外国よりも強かったということです。

「バストとは、なんでも受け入れてくれるお母さんの象徴」という伝統的な感覚に、欧米から「バストは、すごく性的な部分なんだよ」という価値観が20世紀半ばに伝わり、ミックスされた結果、日本人の中で、とてつもないレベルでの「大きなバスト」へのこだわりが生まれてしまったのかもしれません……。

はからずも「バスト至上主義」の現代を生きるはめになった、あなた。持ち前のバストでトクをしていますか? それとも……?(笑)

著者:堀江宏樹
歴史エッセイスト。古今東西の恋愛史や、貴族文化などに関心が高い。
公式ブログ「橙通信」http://hirokky.exblog.jp/


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