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人口問題・少子化・家族の経済学

1487とはずがたり:2016/10/26(水) 10:41:56
>>1486-1487
転機を迎えたとき、人は思いがけない夢を見る

不安定な心情のなか、昔描いた夢がふっとよみがえる
こうした不安定な心情のなかにいると、ふっと極端な理想や夢の虜になるものです。思いもよらぬ異業種へ転身して夢だった店を開いたり、山奥で炭焼き職人になったり、陶芸家修行、アウトドアガイド、帰農というように自然に返る人もいます。ゴーギャンもまさに、同様の心情の中で理想を求めてタヒチへと旅立ったのでしょう。

ただし、築いてきた生活を捨てて理想へと旅立つ人の先には、順調な人生が待っているとはかぎりません。

ゴーギャンの絵画は存命中にはほとんど評価されず、タヒチでの孤独と貧困の生活の中、『われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこに行くのか』という意味深な傑作を残して自殺を試み(未遂に終わる)、6年後に死去します。ミドルエイジ・クライシスを経て人生をリセットした人のうち、かなりの数の人が、ゴーギャンのように生活苦の末の孤独へと進んでいるのも、また現実でしょう。

『玉蘭』に見る「女子版ゴーギャン・コンプレックス」

仕事も恋も転機を迎えるアラサー女子。そして選ぶ道は!?

ところで女性の場合、男性に比べれば中年期での急激な人生転換への衝動は、少ないのではないかと思います。結婚して家事と子育てに追われていると、「人生のやり直し」にまで気持ちを向かわせる余地はなく、生活を捨てる勇気も到底わかないのかもしれません。

しかし、結婚適齢期と呼ばれる30歳前後に突入した独身女性の場合、事情は異なります。結婚への選択を迫られるプレッシャーや仕事への挫折感、不安感、迷いの中から、理想へと駆り立てられる逃避行動が起こりやすくなるものです。

東京でのキャリア生活と恋愛に疲れた女性が突然会社を辞め、中国での留学生活の中で波乱の人生を経験する小説『玉蘭』(桐野夏生著、文春文庫)は、その象徴的な作品でもあります。ライフステージの変化期に突入した不安定な心情の中から、すべてをリセットして海外に逃避し、軌跡も前途も壊してしまいたくなる主人公有子の衝動的な行動には、多くの女性からの共感が集まりました。

タヒチへと旅立ったゴーギャンも、中国へと旅立った『玉蘭』の有子も、考える暇もなくがむしゃらに走ってきた人生がチェンジする端境期に、現実から遠い世界へと旅立つ欲求が生まれています。

結婚を考える時期、仕事での立場や役割が変わる時期、子育ての荷が降りる時期、そして、体力や性機能の衰えを感じる時期……たとえばこんな端境期には、男性の手にも女性の手にも、迷宮からの「招待状」が思いがけず届くのかもしれません。そのとき、あなたならどんな答えを出しますか?


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