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人口問題・少子化・家族の経済学

1232とはずがたり:2016/02/25(木) 21:37:07

 東京の大企業に勤める子持ちの男性の多くはそうしたベッドタウンから通っているから、ただでさえ長時間の労働に通勤時間までがプラスされてしまい、支援制度はあっても子育てへの参加は難しいということが、データから窺える。

 さらに「子宝率」について調べていくと、北陸地方、とりわけ福井県の環境の充実ぶりにおのずと行き着く。雪や雨ばかりで鉛色の冬のイメージが強い北陸だが、若者が都会に流出し、クルマがなければ生活できない…とひと括りに語られることの多い地方のなかでも、家族の絆や共働き率の高さなどで他の地方とは際立った存在感を示しているのだ。

 3世代同居家庭比率(10年国勢調査)では、福井2位、新潟3位、富山5位。そして離婚率も、新潟が全国最下位で、富山、福井、石川はいずれも40位台。そこから浮かび上がるのは、片親での子育てが少なく、祖父母の協力も得やすい環境だ。

 首都圏と違って子育て負担が妻ひとりに集中しにくい、ということだ。たとえばコマツは、社名からわかるように石川県発祥の全国規模の企業だが、同社で働く既婚女性社員の子どもの数は、東京本社が0.7人、大阪や北関東地区が1.2〜1.5人なのに対して、石川地区が1.9人。また30歳以上の女性社員の既婚率は、東京が50%、大阪・北関東が70%なのに対して、石川は90%なのだという。

 コマツの給与体系は全国一律だから、住居や生活費といった点でも石川県の方が暮らしぶりは豊か――という考えが成り立つ。

 加えて北陸地方では、夫婦共働き率も高い。福井県の夫婦共働き率は58.2%(全国平均44.4%)と日本一で、女性の労働時間でも福井県は全国2位(09年)とトップクラス。フルタイムで働く女性が多いことを窺わせている。

 それもあって、これは驚かずにはいられないのだが、世帯単位の収入でも、じつは福井県が東京都を退けて全国1位というデータがあるのだ。

 総務省が5年ごとに実施している全国消費実態調査で、福井県は99年、04年に全国1位、09年にも東京都に次ぐ2位となった。給与水準は次のグラフにあるように全国24位で東京の70.8%でしかないのだが、配偶者の収入と年金収入が加わる家族が多いことで、世帯単位では東京と同等かそれ以上ということになるわけなのだ。

シリコンバレーの企業は、なぜ自然豊かなフロリダに引っ越せないのか
 そして通勤時間でも、北陸各県は恵まれている。前出の図にある通り、いずれも中位〜下位だから、「職住近接」の観点でも首都圏より有利な環境だ。だから、3世代同居の多い先祖代々の住民のみならず、他地方からの転入者についても夫婦共働きをすることで、世帯収入を高く保ちながら子育ての分担を進めることが期待できる。

 となれば、こんな仮説も成り立ちはしないか? 大企業の東京からの移転は無理だとしても、身軽なベンチャーが北陸へ、とりわけ福井県へどんどん移転していけば、それが突破口になり、東京一極集中の解消に向けた一石ともなるかもしれない――。荒唐無稽で、嘲笑を招く仮説かもしれないが、一考の余地がありはしないか?

 ここで子育てからいったん離れて、なぜ、あらゆる産業が東京に集中しているのかについて考えてみよう。

『年収は「住むところ」で決まる』という翻訳書がある。なぜシリコンバレーにテック企業や人材が集まってくるのかの論考が、同書の大きなテーマになっている。

 五大湖の水運に有利な“モータータウン”デトロイトとは違って、シリコンバレーにIT産業が興ったのは偶然でしかない。ところが今、AppleやGoogleなどテック企業はみなそこに固まっている。東部のハーバード大学で創業したFacebookも移転してきた。

 ところが、シリコンバレーというのはクルマ社会での「典型的な郊外」とでも言うべき味気ない場所で、オフィス賃料も高く、しかもサンフランシスコから通えば、1時間かそれ以上はかかる。だったらフロリダ半島の海辺のような魅力的な土地に移転する企業が出てきてもいいはずだ。ところが、そうした事例は一向に聞こえてこない。どうしてなのか?


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