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大中華世界的話題

5510とはずがたり:2014/01/07(火) 19:44:53

 しかし意外だったのはむしろ中国軍の反応の仕方である。中国軍は結局、米軍の爆撃機に対しては警告もしなければ緊急発進もすることなく見守っていただけであった。爆撃機通過の翌日、中国国防省は「中国軍は(米軍機の)全航程を監視し、直ちに識別した」との談話を発表したが、それは逆に、彼らは単に「監視」していただけで、何の行動もとらなかったことを自白したようなものである。

 つまり中国軍は米軍機の防空識別圏「侵入」に何の反応も示さなかったわけである。その直前の数日間、中国軍関係者が「臨戦態勢」を示唆したり「緊急措置」をとることを公言したりして対決への「決意」を語ってみせたが、いざ米軍機が入ってきた時、彼らは結局何もしなかったのである。

 また、28日には日本政府も自衛隊機が中国の防空識別圏内を飛行したと発表。日本の自衛隊に対しても、中国軍はいっさい反応しなかったという。

 つまり中国は結果的に、日米両国の軍機による通報なしの防空識別圏通過をいとも簡単に許してしまったが、前後の経緯からすればそれは当然、中国軍と習近平指導部の面子の丸つぶれを意味するような大失態なのである。

結局「普通の」防空識別圏に

 だがこの出来事の持つ意味は単に中国の面子を潰しただけの話ではない。防空識別圏の一件をめぐる日米と中国との攻防はこれで勝敗を決めたわけである。

 ここでの重要なポイントは、中国の設定した防空識別圏は単に「識別」するだけの普通の識別圏ではなく、他国機の通過に「事前通報」を強要してその飛行の自由を奪おうとする特異なものだ、という点である。つまり、防空識別圏の「領空化」こそが中国側の狙いであり、問題の本質なのであるというのは前述の通りだ。

 そしてそれに対して、日米両国はいっさい認めない姿勢を示しただけでなく、実際に軍機を派遣して事前通報なしの自由な飛行を敢行した。しかしそれに対して中国側はいかなる反応も「対抗措置」もとることができなかった。要するに、この時点では中国側の設定した「特異な」防空識別圏はすでに日米両軍によって破られてしまった、骨抜きにされてしまったのである。

 中国側はその後、米軍機と自衛隊機を「識別し監視している」と発表したが、しかしそれでは彼らの防空識別圏は「普通の」防空識別圏に戻ったことを意味する。つまり、防空識別圏の「領空化」を狙う中国の目論みは失敗に終わったのである。

国民の厳しい目

 中国の敗退に追い討ちをかけているかのように、韓国国防省も27日、海軍の哨戒機1機が26日、中国が設定した防空識別圏内の上空を、中国に通報せず飛行したことを明らかにした。

 このニュースが中国国内に伝わると、「わが国の防空識別圏はただの公衆トイレ、誰でも自由に入って小便して帰る」という下品なジョークが直ちに中国のネット上で流行ることとなったが、中国政府の失態と失敗は中国国民の知るところとなっていることが分かる。

 おそらく国民の厳しい目を意識したのであろうか。中国国防省は28日になって、東シナ海上空の防空識別圏に入った自衛隊機と米軍機に対し戦闘機の緊急発進(スクランブル)を行ったと発表したが、それに対し、日本の小野寺五典防衛相は30日午前、「急に航空機が接近してくるなど特異な状況として公表する事態はない」と否定した。米政府筋も29日、中国側の「緊急発進」の発表に関し、「中国の警戒・監視能力を誇示し、米軍と自衛隊を牽制するための宣伝だ」との見方を示した。

 要するに中国政府はただ、自分たちの失敗を内外から覆い隠すために、「緊急発進」したという嘘の発表を行ったのであろう。そしてその時からこの原稿を書いている12月14日現在に至るまで、米軍機も自衛隊機も通常通り東シナ海の上空を飛行しているはずなのに、中国側からもはや「緊急発進」したとの発表が一切ない。決着はすでについたのである。


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