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大中華世界的話題

2502チバQ:2011/08/22(月) 22:40:04
 政治家としては実務を着々とこなすタイプ。私は2008年3月、日中ジャーナリスト交流会議の日本側代表団の一員として北京・人民大会堂で習氏と会見する機会がありましたが、習氏は注意深く言葉を選びながら、ゆったりと語る性格で、温厚で慎重な人物という印象でした。

 上海市党委書記時代の習氏について、私の知人の中国人記者は「自分の言葉がない。会議では、毛沢東やトウ(トウは「登」におおざと)小平、江沢民がああいったこういったと話すことが多かった」と語っています。その意味では、党の路線に忠実なタイプ(政治的にはわりと保守的)であり、それが毛沢東やトウ小平の言葉を引用して語るという発言スタイルにつながっているようです。

 中央党校での演説でも「指導幹部は読書を愛し、いい本を読み、読書上手になれ。第一にマルクス主義理論を学習せよ」と訴えていますが、あまりにも教条的かつ古典的な訓示で、これを聞く限りでは新世代の政治家としての新鮮味やオリジナリティーは感じられません。

 ただ、配慮すべきなのは、かつて胡錦濤氏が江沢民氏の下でサブを務めたときのように、習氏も今は「隠れず目立たず」という非常に微妙な政治的立場にあるということです。次期指導者候補としてそれなりの存在感は示さなければなりませんが、派手な言動で目立つようなことをすれば、指導部内に不必要な波風を立てることになりかねません。できるだけ地味に、堅実に、しかしながら、次期指導者たるにふさわしい安定感もアピールしたい。その辺が目下の習氏の微妙な立ち位置と言えるでしょう。

 なお、党内の権力闘争という文脈から、共産主義青年団(共青団)を権力基盤とし、胡錦濤派に属する李克強副首相(序列7位)を、指導者レースの最大ライバルと見なす分析もありますが、習氏の次期後継者としての地位はまず揺るがない。来年の党大会までの間に本人が重大な政治的失策を犯した場合や、身辺にとんでもないスキャンダルが生じた場合はともかく、現状のまま推移するなら、内定人事がひっくり返ることはありえません。万が一、そんな事態が起きるとすれば、一種の宮廷クーデターです。

 さて、日本にとっての気掛かりはその対日姿勢ですが、表向きの発言から判断する限り、そう悪いものではありません。人民大会堂での私たちとの会見時には、日中関係について「一衣帯水で2000年の友好交流がある」と紋切り型のあいさつで切り出したものの、「日本はとても好きだ。(自分が以前トップを務めた)福建省は沖縄県、長崎県と姉妹関係にある。福州市は那覇市と長崎市が姉妹都市だ。日本はいろいろ行ったが、まだ行ってないところがたくさんある。機会があればぜひ訪日したい」と語っていました。

 中国の首脳が、たとえ社交辞令であるにしても、「日本はとても好きだ」というような、極めて率直な表現で日本について個人的感想を述べるのは非常に珍しいことです。素直に理解すれば、地方指導者時代の対日交流活動における日本の印象がよかったということでしょう。

 もちろん、これは歴史認識、尖閣諸島など、国益がからむ重大な原則問題で、習氏が日本に対して融和的、妥協的であるということを意味しているわけではありませんが、国家間関係においては指導者個人の対日観という要素も無視できません。次期指導者が日本にどんな感情を持ち、日本との距離をどう調整していくのか、じっくり見極めることが必要です。
(編集委員 藤野 彰)

(2011年8月22日 読売新聞)


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