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【政権交代選挙】200X次期衆院選スレ

1615とはずがたり:2009/07/30(木) 02:48:20
>>1614-1615
 午前9時、民家4軒が集まる大芦・畑小屋地区を訪ねた。そのうちの1軒で、小椋又一さん(81)がテレビのワイドショーを見ていた。木鉢や椀(わん)を作る「木地屋」だったが、今は仕事はしていない。2年前に妻を亡くし、独り暮らし。

 「生活費は月3万5000円の年金だけ。水道はないし、湯も薪でわかす。かかるのは電気代とNHKの受信料、食費、軽トラックのガソリン代くらい。米は農家にもらってる。ガソリン代は月1000円。坂道でもエンジンはふかさないよ」

 最近、目が見えにくくなった。テレビでは政治家が話す言葉をじっと聞いている。

 「何党かなんてどうだっていい。年金を増やしてくれる人に投票するよ。おれは人間の格好してるけど、人間の生活はしていない。みんな色んなこと言ってるけど、年に40万円で生きていけるかやってみてほしいよ、ほんと。小泉さん」

    ◆   ◇

 午前11時前、佐藤トシエさん(66)が額に汗をにじませ、家庭菜園の草取りをしていた。

 「やっぱり、道路は必要ね。博士峠の道がよくなれば若松まで1時間で行ける。雪が降る間は通行止めだし。だから、みんな村を出ていっちゃう。ここから仕事に通えるようになれば、若い人だって村に残るし」

 午後1時半、大芦の中心地区。村特産のからむし職人の五十嵐一喜さん(80)が、テレビを見ながらかごを編んでいた。

 4年前に脳梗塞(こうそく)で倒れてから車を運転していない。2カ月に一度、自宅に来る郵便配達員に通帳と印鑑を預けて、年金をおろして来てもらう。

 「村の色んな情報を教えてくれる郵便局員は私にとって大切な存在。お歳暮を贈る時もギフトカタログを持ってきてもらって、選んで贈ってもらう。田舎の郵便局はなくならないって言っているけど、信用できない」

    ◆   ◇

 黄金色に変わりつつある田んぼに、無数の赤とんぼが飛び交う。午後4時半、五十嵐良督さん(74)が稲の実り具合を見て歩いていた。

 「最近の国会議員は農業について何も話さない。おれももう引退だから何も期待してないが、これ以上米価が下がったら、米作りはやめる」

 日が傾いてきた。午後5時、大芦地区の一本道を五十嵐サチエさん(69)が、自転車を押しながら歩いてきた。

 「孫や子どもがたまに来るのが一番の楽しみ。子どもたちも巣立ったし、政治にああして欲しい、こうして欲しいっていうのはないわねえ。相変わらず買い物して、家事やって。それだけよ」

 この日、候補者の名を連呼する選挙カーは1台も見かけなかった。

    ◇

 「郵政民営化の是非を問う」として解散された衆院の選挙が始まった。様々な暮らしの問題が山積する中で、人々はこの選挙をどう見つめ、政治に何を求めるのか。まちとむらを歩いて、その声に耳を傾けてみた。


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