したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

近現代史綜合スレ

855とはずがたり:2016/06/21(火) 14:22:32
北方領土問題は「千島20島」の帰属問題である
択捉・国後・歯舞・色丹だけの問題ではない
http://toyokeizai.net/articles/-/81453
美根 慶樹 :平和外交研究所代表 2015年08月23日

日本とソ連は1955年に交渉を開始。翌年に交渉は妥結し、日ソ共同宣言という形に結実し、戦争状態は終了。外交関係も回復したが、領土問題は解決しなかった。

その後、何回も交渉が行われ、日本とロシアは「歯舞」「色丹」と「国後」「択捉」の北方4島は平和条約において解決されるべき問題であることを双方で確認しあった(1991年4月の日ソ首脳会談)。

「南樺太」は日露戦争の結果、日本が獲得した領土なので、日本は領有権を主張しないことにしていた。なお、北樺太は戦前すでにソ連領となっていたので初めから問題にならなかった。

歯舞・色丹の返還にはすでに合意

一方、「歯舞・色丹」について、日本は、これらは北海道の一部であり、ロシアに対して占領を解いて日本に返還するよう求めた。「2島返還」という場合の「2島」とは「歯舞・色丹」のことだ。

この主張に対してはロシア側も理解し、前述の交渉結果、「ロシアは歯舞および色丹を日本に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、両国間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」と両国の共同宣言に明記された。

しかし、両国間の交渉は完了していないので、これら2島も北方4島の一部として交渉対象になっている。

「国後」「択捉」については、日本とロシアがともに領有権を主張しており、これをどう解決するかが問題だが、実は、この問題を解決するだけでは交渉は完了しない。「千島列島」を構成するその他18島(北千島)の領有権がどの国にあるかの確定がされているわけではないのだ。

ロシアは、これら18島も「国後」「択捉」も「第二次世界大戦の結果としてロシアの領土の一部となった」と主張している(日本外務省『われらの北方領土』2011年版)。18島についてはロシア以外に権利を主張している国はないが、法的にはロシア領と確定しているのではない。そのため、正式にロシア領とする決定が必要なのだ。そしてロシアは日本に対して、それをロシア領と認めるよう要求している。

一方、日本は「千島列島」についての交渉の対象を「国後」「択捉」に絞っており、18島については権利を主張していない。

つまり、ロシアは20島について権利を主張しているのに対し、日本は2島だけを交渉の対象としているので、両国の主張は部分的にかみ合っていない。ただそのズレが目立たないのは、18島については争いがないからだ。

しかし、この問題はいずれ出てくる。「国後」「択捉」についての領有権問題について結論が出ると、ロシアは、18島に対して領有権があることを日本に認めるよう要求してくる。日ソ交渉のなかで、ロシアはすでにそのことを要求していたのだが、議論されなかっただけなのだ。

なぜ、ロシアが日本にそのような要求をするかというと、それは18島に対する権利を持っているのは日本だとみなしているからだ。ロシアは、20島すべてを「戦争の結果として取得した」と主張して、すでに権利はロシアに移ったような言い方をしているが、それは主張に過ぎず、法的な権利はないことを自覚しているからこそ日本にそれを認めよと要求しているのだ。

日本にはサンフランシスコ平和条約で「千島列島」を「放棄」したので18島に対するロシアの領有権を認めるような立場にないと誤解している人がいるが、実際はそうではない。国際法的にどのように説明するかはともかく、ロシアは今でも18島の領有権は日本にある、あるいは残っているとみなしている。かりに、日本が「放棄」したことを理由にロシアの要求について応じず、たとえば、「ロシアの千島列島に対する領有権主張について日本は関知しない」と言えば、それだけで交渉はまとまらなくなるだろう。

なお、日本政府は1955年の日ソ交渉において、「千島列島」を交渉対象に含めていた。平和条約で「放棄」したからと言ってロシアとの交渉の対象外となるのではないと、当時の日本政府も考えていたのである。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板