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近現代史綜合スレ

692名無しさん:2015/10/24(土) 20:59:47
>>691

 このような“神話ねつ造”は戦争を遂行した日本大本営の得意技だった。 大本営は特殊潜水艇に乗って1941年12月8日米国の真珠湾を攻撃した海軍の「九軍神」、日本軍として最初に守備隊全員が降参せずに決死抗戦し全員が死亡した「アッツ島玉砕」などを大々的に宣伝して戦争美化の道具として使った。 しかし九軍神の潜水艇は何ら軍事的成果を上げられなかった失敗した作戦であり、アッツ島の兵士は全員玉砕したのではなく一部は生き残り米軍の捕虜になったという事実が以後の研究と実態調査を通じて明らかになっている。 韓国で発見できる似た事例としては、1968年に「僕は共産党が嫌いです」という言葉を残して共産軍に殺害されたという「少年イ・スンボク」のエピソードが挙げられる。 このエピソードは永く国民学校道徳教科書に載り、その痕跡が今でも小学校の校庭の一画に放置された銅像として身近な所に残っている。

 日本の歴史教育が再び大転換することになった契機は1945年8月の敗戦だった。 戦争が終わった後、日本を占領した連合軍最高司令部(GHQ)は軍国主義的な教科書が日本を戦争の道に導いたという判断の下、どのように過去と断絶した新しい歴史教育を樹立するかを検討することになる。 占領軍が取った最初の措置は、既存の教科書から天照大神から始まる日本の建国神話や戦争美談を墨で消すよう命令することだった。 連合軍最高司令部は次に日本政府の介入を排除して民間学者が参加した新しい教科書の編纂に乗り出す。

 日本の歴史学者の家永三郎(1913〜2002)ら4人の学者が東京大学史料編纂所に集結したのは1946年5月17日だった。 彼らは連合軍最高司令部所属の米軍将校とともに、特定のイデオロギーを宣伝しない▽軍国主義・超国家主義的神道教育をしない▽天皇の業績が歴史の全てではない▽経済・文化など民衆の歴史を扱う、という原則に則り、新しい小学校用歴史教科書『国のあゆみ』を執筆する。当時の作業の意味について、家永三郎は1977年に放送されたNHK特集ドキュメンタリー「戦後教育の開始」で「不十分な教科書だったが、日本の歴史が神の降臨ではなく石器時代から始まるように変わったのは大きな意味があることだった」という証言を残している。 以後、日本は1948年に教科書検定制を復活させ、本格的な戦後歴史教育を始めることになる。

■歪曲教科書採択率が6.4%まで上がる

 それから60年余りの歳月が流れた今、日本の検定制は再び大きな危機に直面している。 2012年12月に登場した安倍晋三政権が、教科書の執筆と検定の基準になる学習指導要領解説書や教科書検定基準などを詳細化し、各出版社が教科書にどのような内容を入れるかを逐一定めているためだ。 そのため日本の市民団体は現在の教科書検定制について「形だけの検定であり事実上の国定制」と批判している。 その上、安倍政権は日本の侵略戦争を美化する育鵬社教科書など歴史わい曲教科書が一線の学校でより多く採択されるよう種々の支援を惜しまない。 それによって2001年に登場した歴史歪曲教科書は、2016年から使われる中学校教科書基準で採択率が6.4%まで上がっている。

 それでも日本では、韓国の朴槿恵政権のように戦争前のような国定制に回帰しようとする動きはない。 過去の歴史の悲劇を通じて“越えてはならない一線”に対する社会的合意が存在するためだ。 かつての日本の教科書の問題点を指摘したが、維新時期の韓国の国定教科書も盲目的な愛国心と反共主義を強調したという点で特に変わりはないと言えるだろう。 歴史は朴槿恵政権の今回の措置をどのように記憶するだろうか。 時代に逆行する韓国政府の国定化の試みは成功できるだろうか。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:10月24日(土)15時9分


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