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近現代史綜合スレ
321
:
とはずがたり
:2009/11/29(日) 03:57:10
森繁のお尻と角栄のカネかw
面白い話しなんでこっちにも転載しておきます。
近聞遠見:田英夫がもらした「秘話」=岩見隆夫
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1215411124/63
佐藤政権末期、田中は通産相のポストにいたという。1971年夏ごろと思われる。田はTBSを退社し、社会党から参院選全国区に出馬、192万票の大量得票でトップ当選した直後だ。
その日、田は陳情ごとがあって大臣室を訪ねた。田中は話題の人物を機嫌良く迎え入れ、
「よし、よし、わかった」
とつぶやきながら、かたわらの紙片にメモし、やおら、
「おーい、次っ」
と大声をあげた。田が、
「じゃあ、大臣、よろしく」
と腰を浮かしかけた、その時だ。田中の右手がさっと伸び、田のスーツの内ポケットに札束らしいものを突っ込んだ。早業である。とっさにこれはまずい、と思ったが、すでに大臣室のドアがあいて、次の陳情客が入りかけていた。返すに返せない。
「カネはあって邪魔にならんよ」
と田中の低い声を背中に聞きながら、田は辞去するしかなかった−−。
帰ってみると、札束は100万円だった。
「あの人、すごいねえ。あれ瞬間芸ですよ。あとに嫌な感じがまったく残らないんだなあ」
と田は言った。そんな田中に感服したような口ぶりだった。そうかもしれないな、と当方も共感した覚えがある。
この密室のエピソード、田は文字になるはずがないと信じたからこそ打ち明けたのだろう。だから、当方も長年、暗黙の約束を守ってきた。
だが、亡くなったいま、<戦後政治のひとコマ>である貴重な証言を書くことを、田は許してくれると思う。
当時、革新陣営の花形選手だった田に、首相の座が間近の保守実力者が現金を渡す。あのころの100万円は小さい額ではない。
もしその時点で暴露されていたら、田中は首相のチャンスを失っていただろう。だが、そうならない確信が田中にはあった。何万回か、カネを渡してきた経験から、<カネと人間>の機微を熟知していたからだ。
田が残していった秘話を書くべきかどうか、同僚に相談した時、
「角さんは政界のモリシゲ(森繁久弥)じゃないの。モリシゲは女優のお尻を触るのが常習だったが、だれも文句を言わなかった。角さんも相手に抵抗なくカネを渡す術にたけていたということだ」
と面白いことを言った。そんなところだろう。角栄・モリシゲの時代は遠くなった、という感慨もある。
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