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近現代史綜合スレ
192
:
やおよろず
:2007/03/19(月) 05:02:42
>>いきなり強権的な国家権力の様なものを造れと主張している訳でも出来ると想定している訳でもありません。
EU統合の様に必要に応じて様々な葛藤の中でコンセンサスを積み上げてゆく中で現代の近代国家システムがよりよいものにすべきであって固定的に枠組みを考えてしまう事はないと思います。
①国家からの包括的権限委譲の是非、②個別具体的権限委譲の是非という2つの論点があるのだと思います。
この2つの論点から導かれるかたちで、この問題に関して、4つの立場が存在すると思います。
一つは、包括的賛成・個別反対派。
これは、個別委譲に関して否定的というよりは、個別委譲を越えて早期に包括的委譲を完成させようとするグループです。
いわゆる左派・地球市民派が該当することになると思います。
次いで、包括的賛成、個別賛成派。
これは、包括的権限委譲を目標としながらも、現実的に個別具体的な権限委譲を推進するグループ。
3つ目は、包括的反対、個別賛成派。
これは、包括的権限委譲には断固反対であるが、個別案件について特例的に超国家機関を認めるというもの。
4つ目は、包括的反対、個別賛成派。
これは、国際的機関の存在を認めず、国家単位での統治を絶対視するもの。
とは氏は、2番目の包括的賛成・個別賛成派に分類されると思います。
その上で、3番目の立場から、諸論点の中で特に、「民主」の観点から反論させてもらいます。
諸制度を通じた支配機構の管理が、民主主義にとって肝要であると思います。
その点、権限委譲は、管理対象たる機構を拡大させます。
一般に、管理対象の拡大は、国民の管理可能性の低下を招きます。
つまり、管理対象の拡大により、仮に規模的効用がもたらされるとしても、それは管理可能性の低下とのトレードオフにあるわけです。
包括的権限委譲の完成時には、管理不能部分を多分に含む巨大な統治機構が生成されているわけです。
管理可能性を考えれば、機構の規模は合理的に小さいものであるべきです。
よって、超国家的機関の権限は特例的なものにとどめ、基本的には国家単位を脱することがないようにすべきであります。
その点、国内においては、国家的巨大プロジェクトのような特例を除き、分権化細分化がのぞましいという結論になるわけです。
「民主」の実現可能性は、管理可能性であり、その規模の拡大は、民主主義の危機であることもあります。
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