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近現代史綜合スレ

1226名無しさん:2021/02/13(土) 21:18:55
>>1225

美談、恐怖、そして空気
戦争協力のため「慰問金品受付所」に自らの貴金属を寄付する人たち(1937年)

日中戦争から太平洋戦争に突き進んだ日本。メディアや多くの企業もそれに乗じ、熱狂が生まれた。人々は率先して戦争に協力し、多くの権利を「お上」へと差し出した。その悲惨な結果は、今を生きる私たちが知る通りである。

「前線も苦労している、人も亡くなっているのだから、少しだけでも辛抱しなければならないーー。美談や恐怖など、感情を刺激するような報道がメディアを通じて流れ、人々がそうした『空気』に煽られ、同調圧力に走り、政府が私権制限へと動いていくのは、戦前とまったく同じです」

「医療従事者がいかに大変なのか、重症患者がいかに苦しんでいるのかを伝えることは、止むを得ないでしょう。しかし、そうした感情的なものと私権制限は本来であれば切り離して議論をしなくてはいけないと思います。こういうことをいうと、反発が寄せられると思うのですが……そこまで、戦前と同じですよね」

戦前といま。日本社会において、変わらず大きな力を発揮しているのが、「空気による同調圧力」だ。

戦時中は「隣組」によって相互監視をし、戦争協力をしない人たちが「非国民」と後ろ指を刺されていた。これは近代日本社会において、普遍的なものであると辻田さんはいう。

「『空気』を気にして生まれる日本社会の同調圧力は、戦時中に限ってあったわけではありません。東日本大震災のときにも『節電警察』のような振る舞いがあったように、非常時に現れやすいものなのだと思います」

評論家の山本七平はいまから40年以上前の『「空気」の研究』(1977年)で「『空気』とはまことに大きな絶対権を持った妖怪である」と指摘している。

日本社会では「いざというときは(…)すべてが空気によって決定され」、合理的な判断から遠ざかっていく、というものだ。辻田さんはこの考え方に触れながら、コロナ禍の特殊性についても言及した。

「いまの日本社会では東京五輪が予定されていたため、みんなでやろう、感情でひとつになろうという同調圧力が広がっていました。それがコロナに置き換わり、自粛の同調圧力へと変化した。政府も五輪を開催したいがために本来は強制力を用いたいがそれをせず、人々の同調圧力を煽るような振る舞いをみせた」

「警察が警棒を持って巡回したり、自治体が県外ナンバーを監視したり……。そうしてできた特有の空気によって差別なども横行し、SNSでの特定など人権侵害に近いようなことも起きてしまった。ハンセン病などの教訓が普段はあれだけ叫ばれているにもかかわらず、非常時にはここまで変わってしまうのだな、と感じましたね」


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