したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

食品産業総合スレッド

1488とはずがたり:2015/05/05(火) 08:44:18
>>1486-1488
 これらのことからわかること。たしかに、ポテトチップスは含有量が多い。だが、食品として食べる量から考えると、重量が多くなりやすいフライドポテトにも注意する必要があるし、黒糖かりんとうやビスケット類も無視はできない。
ほうじ茶やインスタントコーヒーは、飲料になった時の含有量はごく少ないはずだから、目くじらをたてる必要はないだろう。野菜にも比較的高いものがあるのは、なかなか興味深い。

 いずれにせよ、アクリルアミドが高めの食品を偏好し多く食べていたら、がんを心配する前に、肥満や生活習慣病などほかのさまざまなリスクが急上昇しそうだ。要するに、食品一つ一つを心配するよりも、バランスよく食べることを心がけた方がいい。
 特定の食品をやり玉にあげていては、ほかの食品への対応が疎かになる。ポテトチップスにだけ注目していると、アクリルアミドの総摂取量をコントロールして減らして行く、という本来の目的を見失うことになってしまう。

 2002年にスウェーデンの研究所が発表した当時、海外でも国内でもアクリルアミドにかんする報道があふれた。そのため、事業者による含有量低減対策は進んでいる。農水省は、ウェブサイトで詳細に情報提供していたし、昨年には食品関連事業者向け「食品中のアクリルアミドを低減するための指針」を公表した。

 また、家庭で消費者ができることというページも設けていて、「一番はバランスのよい食生活!」としながらも、フライドポテトの作り方を説明している。最大のポイントは焦がさないことで、これはフライドポテトだけでなくほかの食品でも同じだ。食パンも、そのままならアクリルアミドはほとんどないが、トーストするとできると書かれている。
 実はアクリルアミド対策、既にこまごまと講じられているのだ。

 私が個人的に印象に残っているのは、10年ほど前、ポテトチップスメーカーの研究者が「注目されない黒糖かりんとうが羨ましい」などとブツブツ言いながら、低減研究に取り組んでいた姿だ。じゃがいもの品種特性や保存温度、貯蔵期間、揚げる温度や時間等、実に細かく検討していた。
 たとえば、カルビーは、ウェブサイトでアクリルアミド低減について解説している。研究力がある大手メーカーの製品であれば、含有量は減っている。フライドポテトもビスケット類も同様だ。中小企業は取り組みのレベルがさまざまで、一概には言えないが、総合的に考えると、2002年当時に比べれば公衆のアクリルアミド総摂取量は減っているのではないか。

 これまでずっと食べてきたものも、問題として顕在化すれば自ずと対策が講じられる。国の指導と事業者の努力も続いている。だから、いきなり慌てる必要はない。「ポテトチップスメーカーや外食チェーンはマスコミにとって大スポンサーだから、報道を控えている」というような、思わせぶりの陰謀論にとらわれるのはつまらない。
 EUは2011年にポテトチップス1mg/kg、フライドポテト0.6mg/kg、ビスケット0.5mg/kgなどの指標値を設けたが、これも安全性を守るための基準値ではなく、調査が必要かどうかを判断するための目安。日本でも農水省や厚労省等がモニタリング調査や低減研究を進めている以上、「EUは基準を設けているのに、日本は野放し」という論法も、お門違いだ (EUのアクリルアミドのページ参照を) 。

 ただし、日本で家庭に対する啓蒙活動が少なかったのはたしかだ。農水省の担当者が1、2カ月前だったか、「家庭向けの情報提供の準備を進めています」と言っていたから、おっつけ出てくることだろう。
 そのうえでさらに規制や基準値等が必要なのかどうか、判断するにあたってはやっぱり、食品安全委員会の新しい研究結果も加味したその時点で最良の評価書が基礎となる。
 食品安全委員会はまだ、日本人の摂取量についてほとんど検討しておらず、リスクについての判断を示していない。バランスの良い食生活で、ポテトチップスやフライドポテト、黒糖かりんとうなども適度に味わいながら、食品安全委員会の今後の審議を、落ち着いて見て行きたいと思う。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板