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食品産業総合スレッド

1487とはずがたり:2015/05/05(火) 08:43:55

 「遺伝毒性発がん性がある」という見解は、動物に大量投与する実験などから導き出されたものだ。がんになる、と聞くと震え上がる人が出てきそうだが、自然の遺伝毒性発がん物質はほかにもさまざまある。たとえば米やヒジキに比較的多い無機ヒ素、肉や魚の直火調理でできやすいヘテロサイクリックアミン類、ベンツピレン類などである。

 農薬や食品添加物など意図的に使う化学物質の場合には、遺伝毒性発がん性が確認されれば“失格”。使用は認められない。だが、食品中の、意図せず含有されてしまう遺伝毒性発がん物質をゼロにすることはできない。

 アクリルアミドの場合、アスパラギンというアミノ酸とブドウ糖や果糖など一部の糖類が一緒に120℃以上で加熱されるとできてしまう。アスパラギンも糖類も、ごく普通に穀類や野菜等に含まれるものなので、高温加熱調理による生成は避けられない。したがって、人類はたぶん、火を使った調理が始まった頃から、アクリルアミドを食べ続けてきたのだろう。

 では、アクリルアミドにより人は、実験動物と同じようにがんになるのだろうか? これは、決め手に欠ける。
アクリルアミドの摂取量と人のがん発生率の関係を探る「疫学調査」が世界で行われているのだが、「関係あり。アクリルアミド摂取ががんリスクを上げる」という結果が明確に出たのは2007年のオランダでの調査しかない。一方、「がんリスクは上昇しない」という調査結果は、かなり多く出ている。食品安全委員会は、これらの疫学調査結果を一つずつ、詳細に検討している。ここから言えることは、動物実験の大量投与と同じように、人もアクリルアミドをたくさん食べると、おそらくがんリスクが上がるだろう、ということ。しかし、現状の食生活では、リスクの上昇を検出できるかできないか、ギリギリのところ、ということだ。
 そのため、「まあ、できることなら、摂取量を減らしておいた方がいいよね」というのが多くの科学者の見解だと思う。

 では、どうやって摂取量を減らす? ここで気になるのは、毎日新聞にしてもほかのウェブサイト等にしても、特定の食品をやり玉に上げているように見えること。ポテトチップスである。

 毎日新聞は、記事の見出しが「スナック」になっている。記事中では、ほかの食品にも含まれていることが書かれている。だが、1面のインデックスは「ポテチ成分に発がん性」。うーん、これでは、ポテトチップスメーカーが可哀想だ。

 前述のように、アスパラギンと一部の糖類が反応するとアクリルアミドができてしまうのだから、多くの食品が含有している。農水省の調査結果の中から主な結果を表として示しておこう。

(参照:食品の安全性に関するサーベイランス・モニタリングの結果【有害化学物質】)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/survei/result.html

http://tohazugatali.we b.fc2.com/food/acrylamide11.png
出典:農水省有害化学物質含有実態調査結果データ集(平成15〜22年度)
http://tohazugatali.we b.fc2.com/food/acrylamide2.png
出典:農水省有害化学物質含有実態調査結果データ集(平成23〜24年度)


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