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食品産業総合スレッド

1292とはずがたり:2013/10/29(火) 09:34:36
>>1291-1292
「天然素材」という言葉にも意外な落とし穴が…?

大西 とかく消費者は、「天然」という言葉に惑わされがちですね。新刊でも触れたように、「ぶどう糖果糖液糖」や「果糖ぶどう糖液糖」などの「異性化糖」といった天然甘味料を用いた飲料や食品も数多く出回っていますが、これらは高フルクトース・コーンシロップの別名で、肥満や糖尿病などの原因として私たちの健康を脅かしかねません(本連載第3回参照)。アメリカでは警鐘が鳴らされている同甘味料の使用について、日本ではほとんど意識せず摂取してしまっていて驚きます。

安部 トウモロコシなどのでんぷんを酵素処理して製造するため、砂糖よりもはるかに低コストだから、飲料のみならず焼肉のたれなどにも、やたらと使用されていますね。砂糖と比べてさわやかな味覚で、子どもも好むことからついつい過剰に摂取しがちです。しかし、その結果として永久歯の育成に影響が出た子どもまでいると言われています。

大西 「果糖ぶどう糖液糖」と一括りにされていますが、●そもそも「果糖」と「ぶどう糖」では、私たちの身体に及ぼす作用が大きく異なってきます。「果糖」が果物や蜂蜜に多く含まれているのに対し、「ぶどう糖」はご飯やパン、麺類、芋類などに多く含まれ、脳の唯一のエネルギー源となります。「ぶどう糖」摂取後は満腹感が増加しますが、「果糖」の場合はそのような反応が起こりません。つまり、気をつけていないと、必要以上に摂りすぎる可能性があるわけです。

安部 「塩分、糖分、油分」を、現代人の“摂りすぎ三兄弟”と私は命名していますが(笑)、これらはたくさん加えられるほど味が濃くなるので、消費者もその味に慣らされてきていて、たっぷりと含まれている濃い味の商品を選びがちですね。

 その象徴がカップ麺でしょう。スープに含まれている成分はもちろんですが、●実は麺にも注意が必要です。日本では「油揚げ麺」とだけ表示されることがほとんどですが、●米国に輸出販売しているものには、トランス脂肪酸の含有量も明記されています。油揚げ麺のほかファストフードのフライドポテトなどに多用されている水素添加したパーム油には、心疾患などのリスクを高めるトランス脂肪酸が含まれているからです。

 日本では表示されないので意識されにくいのですが、知っていればその商品を選ばないかもしれません。ともかく、無意識のうちにお母さんたちはわが子が幼い頃から添加物の味を教え込み、それらが入っていないと物足りなく感じるような味覚に育ててしまっているわけです。

大西 お母さんたちはそういった子どもが小さいうちからの“食育”のみならず、子どもが生まれる前の段階でも注意が必要ですね。妊娠中の女性が「カロリーゼロ」の食品ばかりを摂り続けると、胎児に必要な栄養素が行き渡らず、出生後に栄養状態がよくなってから肥満や糖尿病、高血圧、メタボリック症候群になるリスクが高まります。

安部 他にも、成分や原材料などの表示のトリックに注意すべきですね。たとえば、●「100%国産茶葉使用」とうたっていても、生茶抽出物が外国産のケースもあります。また、ウナギの蒲焼きは原産国の表示が必要ですが、●弁当として販売される鰻丼には明記されていません。なぜなら、ご飯が占める割合のほうがウナギより多いので、表示の義務がなくなるからです。

… 私は決して、真っ向から添加物を否定しているわけではありません。そのメリットとデメリットを同時に考えたうえで、口にするかどうかを判断することが大切だと思っています。たとえば、飛行機に乗れば鉄道よりも圧倒的に早く遠方に到着できますが、事故が発生した場合に命を失うリスクも高くなります。食においても、カロリーがゼロというメリットが得られる反面、まだ十分に安全性が検証されていない化学物質を摂取するリスクをとっているんだ、と認識しておくべきです。…

大西 私は米ハーバード大学で食事や遺伝子と病気に関する基礎研究を続けているのですが、化学をご専門とし添加物をビジネスとして扱ってこられた安部さんの現場からの視点が伺えて、本日の対談はビジネス、プライベートともに大いに参考になりました。貴重なお時間、本当にありがとうございました。

安部 私も、医師として基礎研究をされている大西さんの視点は多いに新鮮で、勉強になりました。ありがとうございました。


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