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食品産業総合スレッド

1287とはずがたり:2013/10/29(火) 09:19:06
>>1285-1287
 もっとも、メッツコーラの記事をMy news Japanに書いた筆者は、「コカコーラから発ガン性物質検出」とプレスリリースを出した「食品と暮らしの安全基金」(旧・日本子孫基金)に1996年から勤務していた、と著書で説明されているので、これも市民運動なのかもしれないが。

日本の企業も、もう少し詳しい説明を

 さて、私見を交えると、私はカリフォルニア州の発がんリスク推計と規制は、あまりにも過剰に安全寄りに偏り過ぎている、と考える。たった一つの試験結果を基に、推論に推論を重ねて人の発がんリスクにまで持って行く。ちょっと無茶が過ぎる。
 そして、その感覚が科学者の大勢であろう、とも思う。EFSA、FDAはもとより、の話。日本の国立医薬品食品衛生研究所の安全情報部畝山智香子・第三室長の記述もお読みいただきたい。

 カリフォルニア州は、こうした極端な規制が通りやすい州だ。市民団体は、同州がそうした傾向にあることを熟知し、さまざまな運動や規制強化を、まずは同州の議員や市民に働きかけ実現し、それを全米に広げて行こうとする。現在は、遺伝子組換え食品の表示運動がまさに、仕掛けられている。だが、1986年に制定されたProposition 65にほかの州はまったく同調しておらず、4-MIの規制も他州に広がっていない。それも、各州の判断の結果であろう。

 ただし、ここまで騒がれた以上、アメリカでも日本でも食品メーカーはこっそり、4-MIの低減を図るはずだ。それが市民運動の成果ではないか、と言われれば、そのとおり。でも、その低減が、「食品のトータルのリスク管理」という点で優先順位が高いかどうか、はまた別問題。それに、4-MIの低減にはコストがかかると指摘されている。コストアップに見合うほどのリスク低減となるのか、というと、はなはだ疑問である。

 もう1点気になるのは、問題視されている日本の各社の広報対応。日本コカ・コーラは、市民団体の申し入れに対して、回答している。メッツコーラを売っているキリンビバレッジは、My New Japanに記事が出た同じ日に、すぐにプレスリリースを出した。

 とくに、キリンビバレッジが即座にプレスリリースを出して、消費者に説明をしようとした姿勢は、素晴らしいと思う。だが、「体重50kgの大人で、1日約16L(480mlペットボトル30本以上)を毎日飲み続けなければ、安全性に問題がない」とだけ述べているのは、やっぱり中途半端ではないだろうか。

 おそらく、EFSAの見解に沿って「TDIを設定できる」という考え方で計算したのだろう。せめて、根拠となる組織や考え方、つまり出典は明らかにしておいた方が、より信頼性が高まるのではないか。

 説明しようとすると、含有量を明らかにしなければならず、閾値ありかなしか、というようなややこしい話になり、発がん性という言葉を詳しく説明しなければならなくなる。そんなプレスリリース、金輪際出したくない、というのが担当者の気持ちなのだろうなあ、と想像する。一般消費者の中には、市民団体などの主張の妥当性の吟味にまで行き着かず、「発がん性」という言葉だけで震え上がってしまう人がまだ多いだろう。それを不安に思う企業の事情はわかるような気がする。

 でも、ここで詳しく説明しなければ、一般消費者の理解も進まない。これからは同様の問題がさまざまに持ち上がってくるはずだ。検出技術が向上し、多くの試験が行われ、食品の加工によって自然に生成する発がん物質が今後も問題となる。
 消費者が「発がん性」という言葉だけで震え上がらず、「遺伝毒性は?」「含有量は?」と尋ねる段階に進むには、やっぱり事例を知り経験を重ねて行くしかない。そのためにも、企業に「もっと詳しい説明を」と求めたい。企業も消費者を育てる役割がある。消費者も、企業を育てる責任がある。企業からその一歩を! 望むのは理想論すぎるだろうか。

(なお、メッツコーラの特定保健用食品としての安全性評価については次回、解説する)


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