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農業総合スレ

319とはずがたり:2006/11/20(月) 02:20:04
>>316
そうなんですか。知りませんでした。
調べてみるとこんなのが引っかかった。

補助金を徹底的に利用して成功した鳥取・東伯農協のブロイラーインテグレーション(立花隆)
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C1084425330/E1870936162/index.html

立花隆『農協』第3章。これもなかなか興味深いケーススタディーだ。補助金の仕組みを研究しつくし、専門のスタッフ16人を使って補助金獲得に走る農協。補助金を取ってくるための説明資料の厚さは優に1メートル。おかげで商社が主導権を持つブロイラー事業だが、この農協は勝ち残っている。でも補助金のおかげとは……。

養鶏業は日本の農業のなかで数少ない国際競争力を持つ部門である。おかげで日本の鶏肉とタマゴの値段は主要先進国の中でもむしろ低い方だろう。日本で生産者に「ぼられずに」食事をしようと思えば、唯一親子丼(ただしメシ抜き)を食べることなのである。これは日本の商社の貢献であり、国民に対して誇ってもよいことである。農業でありながら、事業への外部からの参入を認めていたことがこれだけの競争力向上につながった。

この章での抜き書きを二三:

ブロイラーは、技術七割、施設三割。難しいけど努力がちゃんと報われる。
ブロイラーには割りに脱サラ組が多くて、新宿のコンピューター会社にいた技術者とか、タクシーの運転手とか、自動車部品会社の社員とか、いろんな人がいる。
この農協のコメはいまやわずか6%を占めるに過ぎない。日本のほとんどの農民がコメ依存を続け、米価闘争にかまけている間に、此処の農民達はどんどん農業構造を変えて、コメに頼らずとも食っていける農業をつくってきた。
ブロイラーは、農業の中で唯一農外資本にヘゲモニーをとられ、そのため仮借なきコストダウン競争が行われ、徹底的な合理化が行われた結果、国内価格と国際価格の開きのない唯一の食肉である。
現在ブロイラーの七割は企業の支配下におかれ、農協系列は18%しか支配していない。
その中で東伯農協が構造改革できたのは、みごとなまでの補助金の利用である。53年度をとっても、事業細目にして30,事業費をあわせて20億円の補助事業がある。
たいていの補助事業は二分の一が補助金。しかしこの農協の場合、残りの五分の四を農業近代化資金の借り入れに頼っている。利子が安く三年据え置きの十五年払い。これで自己資金の十倍の事業展開が可能に。
一つの事業を展開するのに、さまざまな補助金をつなぎ合わせるノウハウもある。
これ専門の農地開発課というのを設置。課員は16人。膨大な書類を用意する。農水省のそれを全部積み上げたらおそらく1メートル以上になるだろう。
農水省は日本の農業の構造改善をするのだと言って湯水のように補助金を使ってきたが、この二十年、日本農業のコメ依存度は47%から39%に減っただけだ。55年度の農水省の補助金総額は2兆3000億円。実効が上がらないのは農業補助金が農水省の課単位、更に課の中の係、班の単位で所管され、ばらばらに使われているからだ。
農水省は農業という病める巨像を群盲の医者がなで、それぞれ勝手に処方箋を書いては、金に飽かせて購入した薬を薬の相互作用、副作用を考えずに押しつけ、その結果、巨像の病気をますます悪くしているようなものだ。

補助金を全廃して、農外資本の参入を認め、競争原理を導入する以外ないね。補助金をもらうのに高さ1メートルの書類作成とは、いくらなんでも紙の無駄だ。

でも、養鶏業に都会のサラリーマンたちがどんどん参入しているというのが、すごいことだ。だから養鶏業では国際水準の生産性が実現できた。しかし、コメ作りに都会人が参入しようとしても絶対に不可能だ。この辺に現在の農村の生産性の低さの根本的な原因がある。第四章では、いよいよ日本のコメ作りの問題点に立花隆はメスを入れる。請う御期待、次回のブログ。


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