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農業総合スレ

2256とはずがたり:2018/03/09(金) 15:37:07

 ちなみに、たとえば雪香の親であるレッドパールと章姫の育成者権はいずれも期間が切れている。つまり、もしも現在、どこかの誰かが自由にそれらの種を栽培しても種苗法的にはなんら問題はない。

 そして、これも当たり前の話だが、品種改良というのはA種とB種をちゃっちゃとかけ合わせたらお手軽に両方のイイトコどりな新種ができる、というものでは決してない。ネトウヨ雑誌「月刊Hanada」(飛鳥新社)に韓国イチゴ問題について昨年寄稿していた「農業ビジネス」編集長の浅川芳裕氏ですら、今回の騒動に際しツイッターでこう指摘している。〈韓国でいちばんシェアの高いイチゴ品種ソルヒャン(章姫×レッドパール)なんかは大果率(大玉がたくさんとれる=高く売れる)と収量性(たくさん収穫できる=多く売れる)という両立がきわめて困難な育種課題をクリアしたきわめてすぐれた品種。韓国のイチゴ技術を甘くみないほうがいい〉。単に「パクリ」で「おしいいイチゴ」が生えてくると思っているらしいネトウヨは、韓国どころか、日本も含む農家全体をバカにしていると言う他ないだろう。

 しかし、ネトウヨ連中の無知蒙昧はいつものことだとしても、極めて恥ずかしいのは、日本政府までもがそうした「韓国産イチゴは日本のパクリ」なるストーリーを垂れ流してきたことだ。

 冒頭に触れた齋藤農水相の「女子カーリングの選手には日本のおいしいイチゴを食べていただきたい」発言だけではない。農水省は昨年、日本のイチゴ品種が韓国へ流出したことで「5年間で最大220億円の損失」という試算を出したとマスコミ各社が報じた。いま、マスコミでもネットでも、この「220億円の損失」という言葉が一人歩きしている。

 ところが、本サイトが改めて確認してみると、実際にはこの数字、かなり問題のあるシロモノだったのである。

「220億円の損失」は農水省がネトウヨ並みのロジックで導き出したフェイク試算
 いったい、農水省はどういったデータを元に、いかなる方法で「220億円の損失」をはじき出したのか。農水省のホームページを検索してみても、それらしき文書は見当たらない。

 そこで本サイトは6日に農林水産省へ問い合わせた。同省食料産業局知的財産課の担当者は、「220億円の損失」などと報道された内容を認め、このように話した。

「韓国へのイチゴ品種の流出は、もともと前からの話で、現在では(韓国で)独自の品種ができています。また韓国産のほうが日本産よりもイチゴの輸出が多いということで、数字につきましては、これをもし日本が輸出した場合にこのくらいの影響力があるということで、具体的な数字として出したところです。強調しておきたいのは、日本の農家さんも素晴らしいイチゴ品種をつくられているということです。そのなかで、海外における品種の保護、権利取得を意識づけたいと考えました」

 海外での育成者権取得の重要性については理解するが、それにしても「220億円の損失」という数字は過大ではないかとの疑念は拭えない。そこで、試算方式等について確認したい旨を伝えると、FAXで資料が送付された。

 資料は「農林水産物の海外展開に向けた知的財産権(植物品種)の保護の促進」と題された2017年6月付の全14ページ。そのうちの1ページに「これまでの逸失利益の推計(韓国におけるいちごでの試算)」という項目があり、冒頭でこう説明されている。

〈韓国のいちご栽培面積の9割以上が日本の品種をもとに開発された品種。日本の品種が韓国で育成者権を取得できていれば、現在でもいちごのロイヤリティ収入を獲得できた可能性。〉
〈更に、韓国は、これらの品種のいちごをアジア各国に活発に輸出。日本が流出を防止できていれば、韓国産いちご輸出を日本産で代替できていた可能性。〉

 まず、この“想定”の仕方からして極めてアヤシイ。まず、ある品種についての育成者権はその後の改良品種に対するロイヤリティの確保をただちに意味せず、一般的には契約によって取り決められるものである。また「韓国産いちご輸出を日本産で代替できていた可能性」というのも、韓国政府によるイチゴ農家に対する支援や輸出政策を意図的に考慮していないとしか思えない。


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