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農業総合スレ
1
:
とはずがたり
:2003/08/06(水) 19:22
農業問題一般。土地制度その他
武部農相よ、農協を解体しよう!
http://kaba.2ch.net/giin/kako/993/993748216.html
武部農水相について語る・・・
http://kaba.2ch.net/giin/kako/1009/10090/1009030603.html
2238
:
とはずがたり
:2018/02/04(日) 08:23:46
2012年6月19日
「大漁」崇める文化
乱獲と暴落の「赤信号」を止められない制度
日本の高い潜在力 なぜ活かされないのか
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1990?page=1
片野 歩 (水産会社 海外担当)
日本では「大漁」という言葉は、とても聞こえのよい言葉だと思います。漁業者は、「大漁祈願」をするでしょうし、市長村によっては、一定の水揚げ以上となると「大漁旗」を掲げるところもあるでしょう。マスコミでも「大漁」は祝賀ニュースとして扱うのが普通です。しかしながら、実は「大漁」に象徴される日本の「漁」に関する考え方に、衰退していく水産業の問題が潜んでいるのです。
「資源管理」が水産業に与える影響
水産業で成長している国々の科学者や関係者が読んだら「信じられない(unbelievable)!」と思われる新聞記事をよく見かけます。内容が間違っているわけではありませんが、水産資源の持続性(sustainability)に関する常識がないというか、考え方が異なってしまっているのです。欧米市場では、日本と異なり持続性が無いとみなされた水産物は、売れ行きに極度に差が出るケースがあります。
たとえば、白身魚の代表のひとつであるスケトウダラの場合、EU市場において持続可能漁業の認定マーク(MSCマーク)の有無で、米国産が4割増加し、認証がないロシア産は減少、同国は認証獲得で巻き返しを図っています。マクドナルドは2011年、欧州38ヶ国でMSCマークの採用を決めました。同国で販売されるフィッシュバーガーは年間1億食だそうです。このように「資源管理」の有無が、水産業に大きな影響を与えていくことは確実です。同じ土俵に立っていかないと、ますます世界の市場から離れていってしまうことでしょう。
ノルウェーで「大漁旗」を見かけない理由
右肩上がりに成長を続ける世界第2位の水産物輸出であるノルウェーでは、大漁旗を見かけません。漁獲制度の違いにより、180度考え方が異なるのです。ノルウェーでは、大漁と聞いて、その時に自分も魚を獲ってしまっている場合は、決して良く思いません。漁業者にとって経済的に大事なことは、水揚げ金額が多いことであるはずです。限られたチャンスなのに、一度に他の漁船と共にたくさんの獲物を獲って「大漁!」でも、価格が安いのでは、どうしようもないからです。
ノルウェーでは、前回の記事(「『獲れない、売れない、安い』 深刻な事態に直面する日本の漁業」)で説明しました「個別割当て方式」で、漁獲できる数量は船ごとに厳格に決まっています。漁船はもうかっているために、かなり大型化してきていますが、一度に1,000トン獲れる場面であってもその半分以下しか魚を獲ってきません。漁業者は、価格が下がらないように、分散して水揚げをしたいと常に考えているのです。
結果として、それは魚価高だけでなく、鮮度を含む品質向上にもつながります。加工処理も特定の日に集中しないために工場の稼動日数が増えるからです。一方で、日本の場合は、同じタイミングで漁船が競って漁に出ているので、水揚げがある時はまとまることが多く、冷凍や加工の処理が追いつかなくなります。魚価が下落するだけではなく、無理に数日かけて生産すれば鮮度が落ちてきてしまいます。魚価が安いだけでなく、できた加工品の評価も落ちて安くなってしまうのです。このような状況で加工された水産物を食べた消費者は、離れていってしまいます。まさしく負の連鎖です。
脂がのっていない時期も漁獲し、流通させる日本
http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/6/3/-/img_63a732f8ad9a48b383b6b4456019a300143916.jpg
(図1) 鯖脂肪分の比較
同じ日本のサバでも時期の違いで、脂のりの違いは一目瞭然
「ジューシー きっとそれはノルウェーサバです」、「パサパサ それは国産サバかも知れません」前者はノルウェー水産審議会の宣伝文句です。脂肪分は大方25〜30%と、どれを食べてもまさにジューシーで脂がのっていて美味しいサバです。後者は、筆者が日本のサバを表現したものです。旬の秋には脂がのっており十分に美味しいのですが、日本の場合、問題は脂がのっていない時期にも漁獲して、流通させてしまうことです(図1)。
スーパーの売り場に並んで入れば誰かが買っていきます。「脂がのっていない時期なので、美味しくないかも知れません」といって販売する店はありません。味噌煮、塩焼き、特売用等のコメント付きで鮮魚売り場に並んで行きます。3枚におろされている身を見ると、脂がのっていない赤系の色が見えることがよくあります。消費者は、美味しくない魚が販売されているなんて思ってもみないでしょうから、実際に家で食べてみて「美味しくなかったので次は買わない」という行動に出てしまうことでしょう。こうして「売れないサバ」が出来上がっていきます。
2239
:
とはずがたり
:2018/02/04(日) 08:24:30
一方で、ノルウェー鯖は、脂が乗った時期のものが、買付け業者により輸入されてきますので「売れるサバ」が出来上がって行きます。旬ではない魚はよく売れませんので、輸入の際に一旦、買付業者によるフィルターがかかります。そして、いつの間にかタイガーストライプの縞模様のサバ(ノルウェー産)は、いつでも美味しいというイメージが消費者に定着し、価格がやや高くてもよく売れるようになっています。
国産とノルウェー産の価値が逆転
1990年に本格的にノルウェーからサバの輸入が開始された時は、国産サバの方が高価でした。しかし、品質管理とマーケティング力の差で、ノルウェーと国産サバの価値は入れ替わりました。ノルウェーサバの価格が高くなってきたために、同じしま模様であっても価格が安いノルウェー以外の原産国のサバを輸入しても、結局売れずに撃沈、損失処理を強いられるパターンになります。これはノルウェー産のサバの脂肪分が25〜30%に対して、20%前後のサバを輸入して起こる現象です。
日本では(図1)のように5%〜10%前後のサバも平然と販売されているのです。実に無謀な水揚げと販売であり、消費者離れが起きるのも無理はありません。漁業者は、自分で自分の首を絞めているのです。本来であれば「美味しくない時期のサバは漁獲しない」というフィルターがあった方がよいのです。サバの味は、脂肪分だけでは判断するとは難しく、たとえ25〜30%の脂肪分であっても、8月に漁獲されるノルウェーのサバは皮と身の間に皮下脂肪として脂の層があり、まだ身の部分はややパサパサしています。それが9月に入ると身に脂がのり、霜降り状態の身が出来上がって最も美味しい時期になります。日本人の味覚は非常に敏感であり、この違いがわかる消費者が多くいます。脂がのっていない時期でもサバを獲って販売してしまうシステムが、消費の減退と魚価安の原因になっており、水産業の衰退の理由の一つになっているのです。
実際にお金を払って買う消費者の目は甘くありません。漁業者は、「荷受業者や水産加工業者が、高く買ってくれない」と嘆く前に、自分が消費者であった場合、まずいサバを高く買うかどうか考える必要があるのです。
日本の漁業制度そのものが問題
ある新聞記事を例にとってご説明しましょう。「何がどう問題なのか」という情報が無いこと自体に大きな問題があります。決して漁業者や漁協が悪いわけではありません。日本の漁業制度のそのものの問題なのです。
「新鮮揚がっています!」ビリサバ(小型のサバ):5/25と5/28に中型巻網船がビリサバ(この場合は、小型のゴマサバ)を水揚げしました。28日は3隻が満船で200トン。単価は、キロ当たり27.6円から10円。キロ10円は最安値更新です。価格を聞いた船長は「これじゃ経費倒れ、平均キロ25円はないと」と、渋い顔。行き先は、ほぼ養殖魚用の餌会社です。きょうの水揚げで冷蔵庫はいっぱいとの話で、明日はさらに下がるでしょう。巻網の親方や船長は今晩休むか悩んでいます。漁師さんが獲った魚を何とか高値で売るよう、漁業もがんばっていますが、加工品にも鮮魚にもいかないビリサバは、高値で売れないのが現状です。(6/1 日刊水産経済新聞掲載)
この記事を読むと、「魚価が安くて大変だな。買う側ももっと漁業者を支えるために高く買ってあげればよいのに、これでは漁業者が育たない!」等同情される方々もいるかと思います。中には、「なぜ安い小さなサバばかり獲れてしまったのだろうか?」と考える方もいることでしょう。
実は、この中に日本の漁業の問題が凝縮されています。筆者のように日々、漁業で成長を続ける国々と最前線で取引をしている者にとっては、漁業者が悲鳴をあげて「誰か乱獲防止の制度を作ってくれ!」と救いを求めているような内容であり「獲れない、安い、売れない」という最悪な状況を象徴してしまっている典型的な例に映ります。しかしこれは、決して漁業者が悪いのではなく、資源管理制度が悪いのです。
2240
:
とはずがたり
:2018/02/04(日) 08:24:51
安すぎる魚価
2011年度の日本のサバ類(マサバ・ゴマサバ)の魚価は、33万トンの水揚げでキロ当たり89円の魚価、約290億円の水揚げでした。一方でノルウェーは、30万トンの水揚げでキロ当たり157円(キロ当たり12.05ノルウェークローネ)の魚価、約470億円の水揚げでした。両国の魚価は大きく異なっています。水揚げは、ほぼ同じでしたが、水揚げ金額に大きな差があります。
漁業で重要なのは、数量ではなく、水揚げ金額が多いことであるはずです。日本は「大漁」を崇める文化がありますが、ここに問題が潜んでいるのです。結果として、ノルウェー漁船は大もうけで写真のような豪華な漁船となりますが、日本の巻網船は、概して古く、人が生活する空間が狭いので、せめて最低限の居住空間を確保してもらうべく、ILO(国際労働機関)の基準を満たす漁船を建造していくことが、これからの目標となっているにすぎないというのが現実なのです。
飼料用向けの比率が高い日本のサバ
上記の日本のサバ水揚げの内訳は、餌料用30%、食用が70%(生鮮出荷19%、冷凍向け46%、その他5%)となっています。一方、ノルウェーは100%(99.8%)が食用です。日本のサバは、価格が安い餌料用向けの比率が高いことで、肝心の水揚げ金額を押し下げているのです。
漁業者は、わざわざ価格が安い餌料向けを狙って漁をしているわけではありません。しかしながら、早い者勝ちのオリンピック方式は、必然的に餌料向けの比率が高くなってしまうのです。マサバより価値が低いゴマサバであってもサイズが大きければ、それなりに価格はとれるのですが、小型の場合は、マサバもゴマサバも関係なく安価な餌料用となってしまいます。新聞記事はその典型例です。小型で価値がなくても、旬ではないため脂がのっていなくても、自分が獲らなくても他人が獲ってしまうと考えざるを得ません。
「巨大な国内鮮魚市場」という日本の強み
また、せっかく鮮度がよくてサイズが大きくても、大漁水揚げで冷凍処理が追いつかず、漁獲して数日たったものは鮮度が低下するために餌料向けにせざるを得ないことも問題です。ノルウェーは、実質的に国内の鮮魚市場を持っていないので、水揚げ後、ほぼ全量を冷凍して輸出します。
一方で、日本にはノルウェーにない、巨大な国内鮮魚市場を持っているという強みがあります。科学的な根拠をもとに漁獲できる数量を、漁業者や漁船ごとに決めてそれを厳格に守る個別割り当て方式を適用すれば、漁業者は、自然と高い魚価を求めて水揚げを分散する戦略をとるようになるのです。そうなれば、大漁で処理が追いつかないというケースはなくなります。
そして価格が高い鮮魚市場と食用向け冷凍比率を増やして、旬の美味しい時期に水揚げが限られていくことで品質を向上させれば、消費者の魚離れを食い止めることもできるようになるのです。資源が回復し、美味しいものを供給することで消費者が魚を買うようになり、結果的に安い餌用向けが減少して、平均魚価は上昇していきます。日本の漁業が抱えている「獲れない、売れない、安い」という問題を克服し、「獲れて、良く売れ、価格が高い」という状態に改革できるのです。
持続可能な漁業を
餌用の魚を確保することは重要です。しかし、餌料用にしかならないような小型のサバを漁獲し続けても、水揚げ金額が大幅に上昇するようなことはありません。逆に産卵ができないような未成熟魚の漁獲は、水揚げ数量の減少を引き起こし、最後には獲れなくなって自滅していくケースになってしまうのです。
小型のサバが、一気に2〜3年分成長が進み、突然大きくなって戻ってくることはありません。本来であれば、小型サバ(ビリサバ)は漁獲せずに大きくなるのを待つべきなのです。待つことで、水揚げ金額が減少する分を政府が一時的に補填し、水揚げが回復したら徐々に返してもらえばよいのです。もちろん返す前提は、資源の回復で水揚げと単価が上昇して利益が十分に出るという前提です。水揚げが回復しないのに、返金では理にかないません。
2241
:
とはずがたり
:2018/02/04(日) 08:25:12
>>2238-2241
しかし、天変地異でもない限り、農作物と異なり肥料をやらなくてもサバは成長を続けて、価値を増しながら大きくなっていくのです。持続可能な漁業にするために産卵する成魚を確実に残して漁獲を続ける「元本を残して利益の分だけ漁獲する」という漁業を行っていくことが賢明です。日本の漁業は元本を取り崩して水揚げを続けた結果、水産業が衰退し、漁業で成長を続ける国々と大きな差がついてしまいました。ノルウェーでは漁業に対する補助金は、とうの昔に無くなっています。
後継者不足と高齢化が進む日本の漁業
写真は、ノルウェーでサバやニシンを獲る大型巻網船です。科学的根拠に基づき、厳格な資源管理を行った結果、漁業者の所得は高くなり、設備はどんどん最新化されています。後継者不足と今年は既に平均年齢が60歳を超えている日本の漁業は、突出して高齢化しており、世界の趨勢と異なるのです(図2)。
http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/f/a/-/img_fad7e07284aff7c7ff27bd79a7840d87115806.jpg
(図2)若い人に人気がない日本の漁業は、他の国と年齢構成が極端に異なっている
繰り返し述べますが、科学的根拠に基づく厳格な資源管理を行い、成長した水産物を旬の時期に漁獲することが、資源と消費を回復させるポイントです。世界第6位のEEZ(排他的経済水域)と豊かな漁場をもつ日本は、他国がうらやむ非常に高い潜在力を持っています。漁業で成長を続ける国々からその方法を取り入れて政策を実現していけば、北海道から九州までの地方を水産業で再生することも決して夢でも何でもないのです。すでに世界には、結果をもとに考察できる仕組みが出来上がっています。次回は、日本が進むべき道筋について、更に踏み込んだ具体的な説明を加えていきます。
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