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農業総合スレ

1561とはずがたり:2014/08/21(木) 13:57:34
>>1559-1561
その後、ネット広告会社に就職したが、起業への思いが高まり、半年で退職。2007年にマイファームを設立したが、画期的な作物開発をあきらめた西辻に耕作放棄地をどう再生するべきか何の手段もなかった。何しろその面積は東京都の2倍以上にもなるのだ。頭を絞る中で出てきたのが「自産自消」、つまり自分で作って自分で食べるというコンセプトだった。

こうして、体験農園のレンタルビジネスというアイデアは固まったが、耕作放棄地を農家から借りるのは思った以上に苦難だった。農村を歩いては手当たり次第に農家を訪ねて頭を下げたが、20代で農業経験もない西辻を誰も信用せず、門前払いの日々が続いた。

農業が分かる消費者を育てる

アルバイトや塾の講師をして資金を稼ぎながら、農家を訪ね続けたが、ただの1人も首を縦に振らない。その中で、埼玉県の農家が誰から聞きつけたのか問い合わせしてきた。西辻は大喜びで、京都から夜行バスに乗って訪ねたが、西辻を見た瞬間、「若い者には任せられない」と拒絶。西辻はその後、八回も通ったが、どれほど言葉を尽くしても受け入れてもらえなかった。帰りの夜行バスでは涙が止まらなかった。

1年も過ぎ、京都市内のカフェで偶然マスターと話をして、放棄地を持っていることがわかった。マスターは快く第1号契約者になってくれた。マスターが言うには「高齢者の農家は隣地に迷惑がかかるのを恐れて、未経験者には貸さない」。そこで、相続人となる子供世代を対象に、インターネットで募集を始めると、少しずつ契約農家が増えていった。

若い西辻には農家の心の内を知るための知恵がなかった。だが、地べたを這いずり回るような苦労が西辻を成長させた。

その後、東日本大震災で被災した農地を再建しようと、支援に心血を注ぎすぎたあまり、マイファームの幹部や社員との間にギャップが生じ、いったん社長を辞めた。そのため、23人いた社員の半数が退職するなどの挫折もあった。思い込むと一途という性格は変えようもない。だが、2013年には社長に復帰、ようやく経営も軌道に乗り始めた。

西辻はいま「世界で一番、農家と消費者の距離が近い関係を作りたい。それこそが農業ビジネスにおける最大の差別化だ」と考えている。マイファーマーのような作り手と売り手が顔を合わせる直売所が今後どれだけ広がるかが鍵を握るが、それは消費者がどれほど農業への意識を持つかにかかっているだろう。
(文中敬称略)

株式会社マイファーム
●代表者:西辻一真
●創業:2007年
●業種:貸し農園の開設・運営、農業教育、農作物の生産・流通・販売事業など
●従業員:33名(グループ会社含む)
●年商:3億円(2013年度・グループ会社含む)
●本社:京都府京都市
●ホームページ:http://myfarm.co.jp/


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