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都市計画道路・高速鉄道スレッド

3105とはずがたり:2017/09/26(火) 13:35:54
>>3104-3105
 2004年に「LRT推進派」である現在の福田富一栃木県知事、佐藤栄一宇都宮市長が就任すると、再びLRT導入への議論が活発化したが、採算性を疑問視する反対派の声などもあり、国土交通省にLRT計画が認定されたのは就任から12年経った2016年9月。その時点では、優先整備区間である東側区間は2019年12月の開業が予定されていたものの、国交省に提出する工事施行認可作成の遅れなどから、着工は2017年度末の、開業は2022年3月の予定へと、大幅にずれ込んでしまった。

◆「工業団地への通勤環境の改善」と「コンパクトなまちづくり」にかける期待

 今回着工されるJR宇都宮駅から東側の区間における最大の整備目的は、沿線に立地する工業団地への通勤環境の改善だ。

 鬼怒川の東側には内陸型工業団地としては国内最大級の「清原工業団地」(宇都宮市)や宇都宮テクノポリス(宇都宮市)、ホンダの工場・研究施設が集積する「芳賀工業団地」(芳賀町)などが立地するほか、国道4号線バイパスと交差する平出地区には宇都宮工業団地(平出工業団地、宇都宮市)もある。宇都宮都市圏では長年に亘ってこれらの工業団地への交通渋滞が問題となっており、工業団地の拡張のたびに渋滞は深刻化していた。LRTは、こうした状況の改善に大きな効果をもたらすものとして期待されている。

 さらに、沿線にはショッピングセンター、温浴施設、病院、大学など様々な大型施設があり、通勤輸送のみに留まらない、日常生活の様々な場面においても重要な路線としても活躍することになる。

 また、LRTが通らない近隣の住宅地などの交通環境もLRTの整備によって大きく改善することになる。

 大型ショッピングセンター前に設置される「ベルモール前停留所」など、拠点性の高い一部のLRT停留所には、ターミナル機能を備えた交通結節点「トランジットセンター」を設け、さらにLRT路線の周辺には路線バスや地域内交通、デマンドタクシー(予約型乗合タクシー)といった公共交通網を張り巡らせて、それらを「トランジットセンター」に直結。これにより、バスなどの公共交通、自家用車、自転車など、あらゆる交通機関からLRTへのスムーズな乗り換えをおこなうことが可能となり、JR宇都宮駅や中心市街地への交通アクセスも改善されることになる。

 実は、LRTの沿線となる住宅街、ニュータウン地域でも少子高齢化の波は少しずつ訪れており、工業地帯であり宇都宮市のベッドタウンでもある芳賀町でさえも、1990年代より人口が減少しはじめている。

 宇都宮市と芳賀町は、このようにLRTが街の軸となることによって、自家用車の有無にかかわらず「誰もが安心して移動できるコンパクトシティ」を実現し、迫り来る人口減社会や高齢化の波に対応したい考えだ。

◆期待を背負ったLRTだが…中心部への延伸は目処立たず

 沿線住民の様々な期待を背負ってようやく着工にこぎつけた宇都宮ライトレール。しかし、宇都宮ライトレールが抱える最も大きな問題は、JR宇都宮駅から東武宇都宮駅附近の中心市街地(中心商業地)へと向かう西側区間(約3km)の延伸が果たせるかどうかだ。

 この区間が開通すれば、宇都宮市東部から中心市街地までの利便性が飛躍的に向上するものの、繁華街の街路を通過する路線であるゆえ建設費も大きくなるとされ、未だに着工の目処は立っていない。

 この「延伸問題」は宇都宮市の将来にも大きく関わるものであり、それこそが「LRTの早期整備を求める声が大きい理由」の1つでもあるのだが、それについて述べた「『ライトレール』に期待懸ける宇都宮市中心部-『タイムリミット』はすぐそこに」は近日公開予定。

<取材・文・撮影/佐藤(都市商業研究所)>

【都市商業研究所】
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」


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