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都市計画道路・高速鉄道スレッド

2643とはずがたり:2014/12/28(日) 19:23:28
>>2642-2643
 最終電車を待ち受ける人々の中に、こんなコピーが掲げられていました。「さよなら踏切、ようこそシモチカ」。もう2度と降りることのない踏切が最後に開くと、線路の両側から人々が流れ込み、ハイタッチを交わしながら祝ったそうです。思えば、あのコピーも、あのハイタッチも、ユリカさんが呼びかけたものでした。

 8月26日、その小田急線の線路跡地(上部)をテーマにした、「北沢デザイン会議」が開かれました。代々木上原から梅ケ丘までの2.2キロに及ぶ空間をどのように活用すべきか。市民が意見交換する場を設けようと、世田谷区が主催したものです。

「何とか26日まで頑張ろうと思って。5分でいいから車椅子で会場に行って、一言だけ言えたら…」

 亡くなる直前に私が訪ねた病室で、ユリカさんは小さな声でそう話していました。

「待ってますよ。その時、会いましょう」という私に、重ねるようにユリカさんは言いました。

「みんなに会えないけど、よろしく伝えてくださいね」

 情熱を傾け続けたシモキタの未来について発言したいという思いの一方、みずからの死期を悟っているかのようでもありました。息を引き取ったのはそれから3日後、シンポジウムを6日後に控えた早朝でした。

 葬儀には多くの人が参列しました。会場の一角には、ユリカさんの書いた記事や本が並べられていました。30代半ばにガンを患い、『キャンサー・ギフト ガンで死ねなかった私から元気になりたいあなたへ』『病院からはなれて自由になる』『医療はよみがえるか――ホスピス・緩和ケア病棟から』などの著書も残していました。

「北沢デザイン会議」には200名の参加者が集まり、シンポジウムの発言者として予定されていたユリカさんの席には、白い花が置かれていました。

「公園・緑が少ないので、公園や花壇を全地域で整備して緑を増やしてほしい」
「緑の連続性が大切だ」
「駐輪場は確保してほしい」
「歩行者が安心して歩ける通路にしてほしい」
「線路跡地から見える富士山の眺望を残してほしい」

 そういった提案や要望から「道路計画を見直すべきだ」という意見まで、たくさんの声が寄せられました。1時間半を超える議論を、どこかでユリカさんが見ているように感じました。

 人間中心の都市デザイン、ゆっくりと歩いて楽しいまちづくり。彼女が強く願い、握りしめてきたバトンは多くの人に引き継がれていくことでしょう。


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