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選挙・議員関連情報スレ

3119名無しさん:2010/03/02(火) 00:48:41
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20100302k0000m070115000c.html
毎日新聞 2010年3月2日 0時15分

記者の目:世襲ボンボンの責任重い=鈴木恒夫(元政治部)

 国政のカオス(混とん)はいったいいつまで続くのか。いや、もっといえば今の状況はもはや“低迷”といった方が良いのかもしれない。多くのマスメディアの世論調査が、鳩山内閣の不支持率が支持率を上回り始めたことを示しているからだ。“低迷”から果たしていつ脱出できるのか。全くといっていいほど好材料は見当たらない。日本社会全体が人口減少、低経済成長、治安の悪化をはじめますます多くの深刻な課題を抱え込み、「坂の上の雲」を見上げるどころか「地獄への道」を滑り落ちつつあるというほかはないというのに……だ。

 私は1963年に毎日新聞記者となり、政治部を中心に足掛け15年、ペンを握った。その後、新党・新自由クラブ活動に参加。86年に衆議院議員に初当選、政治部記者時代を含め昨年の夏まで約42年間、永田町に身を置いてきた。「そういうあんたは、いったい何をしたといえるんだ」と言われれば二の句を継げないが、やはり、この、時の流れと共に進んだ政界全体の“劣化”は覆いがたいと思う。

 鳩山由紀夫現首相と私は当選同期生。当時発覚したリクルート事件を目の当たりにした同期の改革志向の新人議員たちは、武村正義氏(後の官房長官、蔵相)を中心に「ユートピア政治研究会」をスタートさせた。政治とカネの問題を解決し、政権交代可能な2大政党制にまで議会制民主主義を熟成させようというのが目標だった。武村、鳩山、私ら10人が自らの1年間のカネの実態を公表して世間の注目を浴び、その後は国からの政党助成金制度や小選挙区制の導入などを建議、政治改革論議の端緒を切り開いた。

 「永田町下級武士たちの決起」(講談社刊)に、カネの実態報告が載っている。出版を担当した私が白状すると、収入が1億9649万円と最も多かったのが鳩山首相。最少の6586万円が私。東京と地元事務所のスタッフの人数は、鳩山事務所が計38人、鈴木事務所6人。当時は公設秘書が2人だったから、いかに鳩山首相がカネを必要としていたかがわかる。政治献金としての収入は9000万円とされており、この中に母上様からのカネが入っていたのかどうかはわからない。いずれにしても大金持ちの鳩山家の世襲の実態がうかがえる。

 国会議員の世襲。その是非が論議されて久しいが、私は冒頭に指摘した政治の“低迷”の原因の一つが、この世襲にあると思っている。誤解のないように言うが、世襲のすべてが悪いというのではない。すぐれてその家系全体が判断すべきことであり、いわんや無理やり世襲を強いられた当人は責められない。世襲議員の中には私などは足もとにも及ばない優れた人物もいる。

 ただ、全体としてみれば新人の新規参入を阻む政党政治の硬直化と、庶民感覚に対する不感症とでもいうべき傾向を増殖させていることは誰も否定できないのではないだろうか。月々1500万円を母親からもらっていたのを「知らなかった」という男に、1円でも安い食料品を探して日々の暮らしを維持している庶民の気持ちが実感できようハズがない。今や、永田町から“大衆政治家”は姿を消し、その言葉自体を見聞きすることさえなくなった。

 先の総選挙で当選した議員の82.5%が戦後生まれという時の流れもあろうが、同じカネの問題で多くの国民から民主党幹事長職の辞任を求められている小沢一郎氏も世襲議員だ。自民党にいたっては昨年の総選挙で当選した119人中の47%、56人が世襲議員だ(毎日新聞集計)。その自民党も「政治とカネ」の問題を抱え続けた。党への支持率は相変わらず低い。

 当選同期の仲間として、鳩山首相が知恵と勇気を振り絞って「友愛政治」を訴えている努力だけは認めよう。先の施政方針演説はなんと1万3600字。劇作家の助けも借りて“友愛”を連発、ヤジられるのを覚悟の上でガンジー翁の「労働なき富」の罪まで引き合いにだしてみせた。

 しかし、「いのちを守りたい」と始めておきながら、全く腑(ふ)に落ちなかったのが、日本人の自殺への言及不足だ。自殺者が昨年まで12年連続で3万人を超えたというのに、口から出た言葉は「自殺対策を強化する」という一語だけ。人が命を絶つことの悲惨さ、重さ、そしてその背後にある日本社会の病理の深刻さについては、一言もない。

 「ボンボン育ちの世襲政治家に、生きていくことの難しさ、つらさ、苦しさなど、わかろうハズがない」と、国民が嫌悪感を深め、これまで以上に政治から目を背け始めるのを、私は恐れる。それは日本の文明の危機につながる。私は今こそ「日本の美風の蘇生と新生」をめざして、永田町に根源的な議論が開始されてほしいと、心から願う。


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