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印刷・出版雑記
11
:
近藤 貴夫
:2008/03/06(木) 23:54:22
一つ一つ活字を拾っていた活版印刷の時代は私のごく幼い頃までの話。
子供の頃には、文字組みを写植で出力して台紙に貼り並べるやり方が
普及し、成人するとマッキントッシュで画像等も一緒に組み込むDTPが
始まり、製版に必要な時間は時代とともに減り、自由度は増していき
ました。(不自由になった面もありますが)
そうしたらそれで、労働時間が減るかというとそうではなく、多くの
人によって短時間でできるために単価が下がり、結局、仕事の数を
たくさんこなすことになるので、時間は減らないのです。
技術がどんなに革新しても、労働時間は容易には減らない。
江戸から上方まで十数日かかっていた時代には、話し合いのために
それだけの日数をかけて移動するのも立派な仕事として認められても、
新幹線や飛行機の路線ができると、それを使って頻繁に日帰り出張を
するのが当たり前になります。空いた数日を途中の温泉でのんびり、
というのはあり得ません。テレビ電話で会議ができれば、移動時間が
ないなんて言い訳はできなくなります。自由は自然には増えないのです。
焜炉がガスや電気やIHになり、薪を割ったり柴を刈ったりはしなくて
よくなっても、大人の生活時間は家事以外のやるべきことがどんどん
増えていってしまう。生活に必要な時間は、結局、近代・現代になっても
減ってはいないし、今後も減らなさそうです。
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