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Sa\msk$rt文法備忘(連声(Sa\mdhi)編)

1近藤 貴夫:2003/07/26(土) 09:46
これも一応別に。

2近藤 貴夫:2003/07/28(月) 10:04
連声(Sa\mdhi)の規則は、単語(=単語の実現形(≠語根・語幹))
同士に適用される外連声と、形態素(語根・接頭辞・接尾辞・活用
語尾・格語尾などのこと)同士に適用される内連声とに分けられる。
但し、接尾辞や格語尾の一部には、独立した単語のような振る舞いを
する例外的なものもある。また、複合語を作る時には、格語尾が
付いていないその前分も、一度仮に単語として扱う。
この区別に必要性があるのは、単語には、形態素におけるよりも厳しい
音声的制限があるためである。特に、形態素(特に語根・語幹)の
末尾には来られても、単語の末尾には実現できない音素群があるという
問題が大きい。

3近藤 貴夫:2003/07/28(月) 13:50
そこで、形態素・または幾つかの形態素を連ねただけの形を、
単語(の実現形)(pada)に変換する規則というものがある。

4近藤 貴夫:2003/07/28(月) 16:11
母音については、特に変換規則はないのだが、現実問題として、
@$r, $l, @$l,が単語末に来ることはあり得ない。

@$lについては、音韻体系の整合性上、文字だけはあるのだが、
その文字の名称以外に出現することがないので問題にならない。
またその短音、$lは、文字名を除くと、-k$lp-という音の繋がり
以外では登場しないので、形態素においても単語においても、
頭にも末尾にも立たない。だから現実として連声の規則に関わら
ない。
@$rは、それ単独でも動詞語根「行く・動く」であり、他に-@$rで
終わる動詞語根は幾つか見られる。しかし、階梯変化によって
-@ir, -@ur, -@ar,に展開したり、語尾が続くので、結局単語末に
@$rの来る例はない。
参考までに、-$r語幹の名詞の曲用において、-@$r#ni(中性複数
主・対・呼格)、-@$rn(男性複数対格)、-@$r\h(女性複数対格)、
-@$r#n@am(通性複数属格)の各格語尾があるが、裸の-@$rで
終わることはない。

5近藤 貴夫:2003/07/28(月) 17:17
@$r, $l, @$l,以外の母音については、格語尾や人称語尾に、それらで
終わるものがあるから、つまりそれらを語末に持つ単語があるという
ことが明白である。

比較的稀な母音について例を挙げれば、$rは、-t$r語幹の動作者名詞の
中性単数主・対・呼格、-t$rがある。@oは、-u語幹の名詞の単数呼格、
@uは、同じくその男女性両数主・対・呼格に見られる。
-@oで終わる単語は多いような印象を受けるが、その多くは末尾の-a\hが
すでに連声して-@oに変わった結果である。また-@uで終わる形の殆どは
両数のため、外連声の規則の適用外でそのまま存置されるものに属する。

6近藤 貴夫:2003/07/29(火) 11:53
子音については、まず「単語末に二つ以上の子音が連続することは
ない」という原則がある。
曲用や活用に必要な形態素を並べてみて、最後に子音が続いたら、
最初の一つを除いて切り捨てる。

但し例外があって、「語根相当部に『母音+r+子音』を含み、後述する
操作の結果、rの後の子音がkか#tかtかpになる」場合は、その結果と
しての「-rkまたは-r#tまたは-rtまたは-rp」は残しておく。
これは、yに対して二重母音@eやaiがあり、vに対して@oやauがあるのと
並行的に、rに対するarや@arなどにも二重母音的性格を限定的に認める
ということだと考えられる。(ex. M$RJ→am@ar#t(3.ag.impf))

7近藤 貴夫:2003/07/29(火) 12:01
誤植訂正:最終行 ×(3.ag.impf)→ (3.sg.impf.)

8近藤 貴夫:2003/07/29(火) 13:30
単語末に来ることのできる子音は、「k, #t, t, p, +n, #n, n, m,
l, \h」のわずか10種類のいずれかである。単語の末尾の子音は、
一度これらのいずれかに変えてから、その次に、外連声の規則に
従い、後続の単語の音との関係を考えてさらに変化させられる。

であるから、外連声まで適用が終わった後には、上記の他に、
「g, #d, d, b, c, j, %n, %s, #s, s, r, \m, ~y, ~l, ~v,」
を加えた、25の子音末尾が実現することになる。

9近藤 貴夫:2003/07/29(火) 13:41
形態素を並べた時点で、末尾に来ることがない子音が幾つかある。
それは、\m, \h, y, v, (~y, ~l, ~v,)である。
これらは、単語末処理で10個の子音にまとめる操作からは、省いて
よい。

10近藤 貴夫:2003/07/30(水) 23:16
猶、ch, jh,も、存在を無視できる程度に稀である。

以下、子音の10種類への集約方法を語る。

まず、有気音は、\hだけしか単語末への存在を許されない。
そのことにより、対応する無気音を持つ有気破裂音は、
全て無気破裂音に変えられる。しかし、破裂音は、単語末に
おいて、有声・無声の区別をも失う。そして、次に別の語が
後続しないときは、それは無声音で書かれる。
即ち、全ての破裂音(破擦音であるc系列を除く)は、単語
末において、同じ系列の無声無気破裂音(k, #t, t, p,)で
書かれることになる。

11近藤 貴夫:2003/08/01(金) 10:56
次に、単語末には後口蓋音が許されない。
そのことにより、後口蓋音は隣接する調音点、軟口蓋音と反舌音に
移行する。

1)軟口蓋音に移行する音
c, ch, → k,
%n, → +n,

2)軟口蓋音または反舌音に移行する音
j, jh, %s, → k, or #t,

2)において、k, と #t, のどちらに移行するかは、単語ごとに、
語源や類推に基づいて決まっているので、それを覚えなくては
ならない。

12近藤 貴夫:2003/08/01(金) 10:58
誤植訂正: ×後口蓋音 → 硬口蓋音(後部硬口蓋音)

13近藤 貴夫:2003/08/01(金) 11:08
>>10 で述べた「有気音」とは、有気破裂音だけに留まらない。

h,は、やはり単語により、k, または #t, に移行する。

#s,は、%sと同様に、#t, または k, となる。

ということは、j, jh, %s, #s, h, の五つの音について、単語ごとに
k,と#t,のうちどちらの音に変わるかを覚えておかなくてはならない
ことになる。

また、s, と r, とは、どちらも \h, に変わる。
しかし、この変化については、もとの音がs,だったのかr,だったのかを
覚えておかないと、次の連声の決定に困るという変則性がある。

14近藤 貴夫:2003/08/01(金) 11:26
こうして失われる単語末の有気性は、代償可能な場合は別な場所に
表れて代償される。

則ち、「g, d, b, のいずれかで始まり、gh, dh, bh, h,のいずれかに
終わる語根の場合、最後の音が語末処理で無声無気化した時には、
初めの音が有気化する。」という原則である。
こうした語根を含む語は、語係変化の過程で、語尾以外に、語根頭にも
影響が及ぶことを考慮しなくてはならない。
なお、この原則に、硬口蓋音と反舌音が含まれていないことにも注意。

15近藤 貴夫:2003/08/01(金) 22:31
サンスクリットを学ぶには、
(1)辞書に載っている、動詞語根や名詞語幹の形
(2)それらを、活用や曲用の規則によって変化させた形(絶対語形)
(3)それがさらに、前後の単語との関係によって音変化した形(連成語形)
の、少なくとも三つのレベルを意識できないと、文法規則を
理解できない。文を見ても単語を拾い出すことさえできない。

なもので、初歩の段階では、(3)をわざと省いて、(1)→(2)の
レベルの文法規則に意識を集中させる方針も行われる。

単語の子音終りが10種類に集約されるのは、この(2)の絶対
語形の話であり、(1)や(3)では違う。

16近藤 貴夫:2003/08/01(金) 22:41
一度無声無気破裂音(k, #t, t, p,)に収斂させられた
破裂音群だが、この無声無気破裂音が、後続する音に
よって同化され、また様々に展開する。

このことから、この無声無気破裂音は、もともと破裂の
相当弱化した音、或は出渡りの殆どない内破音的な子音
だっただろうと推測できる。
現代語であるヒンディー語では、このような制約が無く、
語末に有声破裂音も有気破裂音も許し、それらの区別を
するのである。

17近藤 貴夫:2003/08/01(金) 22:55
無声無気破裂音のうち、t,は最も他の音への同化の
度合が激しいので、まず他の三つの音について。

語末のk, #t, p,の三つの音は、次の単語の音の
性質に同化する。
まず、後続が無声音だったときは、これらの音は
そのまま無声音である。
次に、鼻音以外の有声音(母音・半母音を含む)
だったときは、有声化して、g, #d, b,となる。
最後に、後続が鼻音だったときには、単に有声化
して g, #d, b,となるだけでもいいし、さらに
進んで鼻音 +n, #n, m,に変えてもいい。

t,は、音質面では、側音 l,にも同化して l,になる
他、調音点でも、硬口蓋音や反舌音に同化して、
それぞれの無声音や有声音が続いた場合に、c, j,
#t, #d,に変化する。
さらに、%s,が続く場合には、-t + %s- → -cch-,
という変化を見せる。

なお、歯音は、t,だけでなく、n,やs,においても、
その幅広い順応・同化性を示す。

18近藤 貴夫:2003/09/12(金) 17:01
>>17は少々先走って子音の外連声の話に行ったが、つまり
一旦連声をしてしまうと、折角絶対語末は10種類だった筈の
子音が、また多種多様に拡散するということである。

19近藤 貴夫:2003/09/27(土) 11:07
同種の単母音(a, @a,/ i, @i,/ u, @u,/ $r, @$r,)同士が続く
場合は、その前後のいずれについてもそれが長母音であるか短母音で
あるかに関わらず、その種類の長い単母音(@a, @i, @u, @$r,)へと
融合する。

a,/@a, + a,/@a, → @a
i,/@i, + i,/@i, → @i,
u,/@u, + u,/@u, → @u,
$r,/@$r, + $r,/@$r, → @$r,

これは、長母音と長母音が続いたからといって、短母音の四倍の
長さの母音になるわけではない。普通の長母音に縮約されるので
ある。

また、単母音の系列には $l, もあるが、これは、実際の言葉に
おいては(文字名や記号的表記を除き)形態素の初頭や末尾に出て
こないという特別な制約を持つ、極めて稀な音であるため、$l が
連続して @$l になる、という事態は実現しない。


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