・イギリスには16世紀中盤から17世紀頃のブライドウェル王立病院(Bridewell Royal Hospital)やベスレヘム王立病院(Bethlehem Royal Hospital)の当時の記録が現存しているが、記録には、仕事がない浮浪者や窃盗などの軽犯罪者を連れてきて裁いて鞭打ったり、碾き臼などの強制労働を課したり、女王や裁定を下す理事を誹謗中傷したために連れてこられ、収容されたりした人物らの裁定の内容や下された罰が書かれているだけである。
現在、精神病院と邦訳されることがあるベスレヘム王立病院の記録にも、現在の精神病の症状とされるような睡眠障害やうつや慢性的な疲労や頭のぼやけやめまい、怒りっぽさなどの自律神経系の異常が推定できる具体的な症状は何も書かれていない。